SFと和風ファンタジーを融合させたバトルアクションストーリーです。
雨宮真樹士はヒトのヌシであり、雨宮向日葵はその妻である。九つの峰が連なる霊山には九つのヌシたちが鎮座し、新たなヒトのヌシとなったマキシは山全体をデジタルの管理下に置く。彼のもとに集う山臥たちはみな強化された防護スーツに身を包み、ヘッドセットを介して通信する。
ヒトのヌシが山に入ったとき起こる異変――湧き起こる怪異。謎の少女。蠢く生き物たち。失踪した銀行強盗。ハッカー同士の攻防。
電脳ネットワークによって網羅された霊山で、モノノケとサイバー戦士たちの死闘がいま幕を開ける……!
と、あらすじだけを書き出してみるとなんとも奇想天外ですが、物語はあくまで淡々と進んでいきます。ときにコミカルに、ときにハードボイルドに綴られる怪異譚の行く末や如何に。
山の澄んだ空気が肌に伝わってくるようなしっとりとした描写も味わいがあります。
おススメです!
IOTが発達して全てのオブジェクトがデータ化される近未来。山を治める動物の主達の一柱、人のヌシとして就職してきた元凄腕ハッカーと、その下で働く7人のお手伝いさんもとい山伏たちが、動物達と力を合わせて山の秩序を乱す不穏なモノノケと立ち向かう。
動物との意思疎通とか神隠しとか全体的にファンタジーな作風の中にあって、ヒト側の設定が現実的なのが面白いです。脱サラやら料理人やら、取り纏め役もエンジニアですからね。私もここに就職したいんですが書類はネット応募で良いですか?
タグはホラーとなってますが、むしろメルヘンとファンタジーなミステリーサスペンスです。