星を見守るもの

甘味亭太丸

私の使命

 私の使命。

 それは――である。


***


――9058


 目覚めはいつも突然だった。

 驚くことでもない。大抵の出来事は常に、唐突であるから。

 それよりも、私は目覚めてしまった。

 私が目覚めるということはつまり、大変なことが起きたということだ。


「おぉ! これが我らの救世主だというのか!」


 まず、視界に入ってきたのは老人だった。着飾った服装を見るに王族だろうか。これなる存在はいつも煌びやかな衣装を好んでいるので、すぐにわかる。

 老人の周囲には古びた装備を手にした兵士が無数。鉄の剣に槍、弓。どれも相当技術力の低い武器だ。

 いや、『この時代』であれば、それらは最新鋭の鉄の武器か。鉄を精製、加工する技術があるということはそれなりに文明は発達してる時代だということになる。


 この時代が一体何年であるのか。それは私にしてみれば興味のないことだ。何年であろうと、私のやるべきことは変わらない。


 そんな集団の中に一際目立つ存在がいた。一人の少女だ。

 私が首を動かし、彼女を視界に入れると、彼女も私の視線に気が付いたのか、一瞬だけ肩を震わせた。周りの兵士たちも武器を構えることはないが、体をこわばらせていた。

 どうやら警戒されているらしい。それは仕方ないことだろう。彼女、いや、この場にいるものたちからすれば、私の見た目というのはいささか奇異なるものに見えるだろうから。


「要件を聞こう」


 とにかく、そういう目で見られるのは慣れている。私は大して気にすることもなく、老人に問いかけた。

 するとその場にいた者たちが一斉に声を上げる。どよめきであった。

 やれやれ……どうやら私が言葉を話すとは思ってもみなかったようだ。目覚めさせておいて、それはないだろう。

 あぁ、しかし、彼らの身なりを見れば、時代を考えれば、私が言葉をしゃべるのは不思議なのかもしれない。それは、仕方ないことだ。


「もう一度、聞く」


 だが、私は問わねばならない。

 何度も言うが、私が目覚めたということは、大事件が起きたということだ。

 そして、私はそれを解決しなければいけない。


「此度の私の使命はなんだ?」


 再度、私は問う。

 否、問わなくてもわかる。

 私が目覚め、そして課せられるものは常に戦いだ。


「わ、我らが救世主よ! どうか、どうかこの世界をお守りください!」


 せかされたと思ったのか、老人はかすれたような声を出して、述べた。

 やはり、か。世界を救う。いつものことだ。


「承知した。では、私はこれより世界の守護を開始する。敵は、どこだ?」


 私の返答に、彼らはぽかんと口を開けて唖然としていた。

 このような態度は今までの目覚めでも少なからずあった。どうにも、彼らからすると、私はすんなりということを聞いてくれるような顔には見えないらしい。


「どうした? 敵は、どこだ? 誰だ? 何を倒せばいい?」


 私は早急な使命達成の為、再び老人……王へと問いかけた。

 我に返った王は恭しく私に頭を垂れると、恐るおそるといった口調で述べた。


「遠き、星々の彼方より飛来する魔の者たち。未だ、その正体は不明でありますが、もういくつもの国が彼奴等に攻め滅ばされてしまいました。幾人の勇士が立ち上がり、いくつもの国が総力を持ってこれに立ち向かいましたが、敵わず、ついに魔の手は我が国へと迫りました。我々は古き伝承に縋り、救世主を求めたのです」


 敵は、魔なる者というらしい。遠い、星々の彼方からやってくる存在。

 本来の名称は不明。目的も不明。しかし、そのもの達は、彼らを滅ぼそうとしている。

 私は空を見上げた。青い空だ。私はその青く、澄み渡った空のそらに向う側を睨むように仰いだ。

 なる程、今回はそういう相手か。それならば、確かに、この文明レベルでは立ち向かうことすらできないだろう。

 なんにせよ、私が戦う理由としては十分である。


「了解した。では、私はあなた方を救おう」


***


 なに、世界を救う方法は常にシンプルだ。

 いや……少し語弊がある。敵がいて、守るべき存在がいる場合はと付け加えるべきか。時折、ややこしいこともあるが、それはそれだ。難しいことを考えるのは学者と政治家の仕事だという。私はそのどちらでもないので、大抵、後回しにしている。

 とにかく、敵がいればそれを撃滅する。私はそういったものが得意だ。特に戦闘行為は得意中の得意だ。


 ところで、私が戦うべき敵。王たちが言うには、魔なる者たちだが、確かに奴らは強い存在なのだろう。強靭な肉体は当然の事、身体能力も人間のそれを大きく上回る。

 どこからともなく現れ出でて、無作為に人を、動物を、生きとし生けるもの全てを喰らい、蹂躙する。

 だが、最大の脅威は彼らの文明レベルが、この地上の人間のそれを大きく上回っている事実だ。


 星々を渡る航宙戦艦、搭載された多様な艦載機、レーザーライフルにミサイル。対する王たちの戦力といえば鉄の武器、そしてやっと開発された火薬の大砲だけだ。どうあがいた所で、勝ち目はない。

 それに、どうやら病原菌で死んでくれるほど、ヤワな連中でもないようだ。


 奴らは、言うなれば宇宙人。この名称が、この大地に住む者たちに通じるかはわからないが、そうとしか言いようがない。小難しい理屈を抜けば、天からやってくる悪魔、堕天使とでも言っておけばすんなり信じるだろう。


 魔なる者たちにより、世界の過半数は支配されている。運よく、被害を逃れた国々もあったそうだが、それらは所詮、後回しにされていたにすぎない。

 私が目覚めた国もそのうちの一つだった。それなりに、由緒ある国柄らしいが、私はあまりそのあたりには興味がない。

 私は、己の使命を果たすまでだ。


***


 私の目の前にはその魔なる者を統括する存在。いうなれば魔王とでもいうべき存在と対峙していた。

 彼らの本拠地は空を越えた先、宇宙に存在していた。この大地の文明レベルの技術力ではその存在すら認知することもできない。

 しかし、私にしてみれば丸わかりだった。


 一つ、問題があるとすれば魔なる者たちとこの大地に住まう者たちの科学力の差があまりにもありすぎた為に、魔なる者たちが世界中の至る所に君臨していたということだ。これでは、本拠地を潰しただけでは意味がない。司令部を潰せば確かに動きは鈍るだろうが、それでは残った戦力を統括する者がおらず、自暴自棄に陥るかもしれないからだ。


 だから、私はまず国の周辺から徹底的に奴らを殲滅した。その次に周辺各国、そして国の大地全域から奴らを駆逐した。

 時間にして十二時間。私にしては少し時間をかけすぎた。

 奴らとの初戦にて、私はついつい力を出し過ぎた。そのせいで要らぬ被害まで増やしてしまったのだ。

 私は己の力をセーブしなければいけなかった。流石に腕の一振りで山を抉り取ってしまったのは問題だった。

 生態系に影響が出なければよいが。


「こ、こんな猿どもの星に……!」


 広大な宇宙空間。眼下には青い水の星が浮かんでいる。

 私の目の前には超弩級の戦艦が鎮座していた。全長二キロにも及ぶ大陸型の戦艦だ。流石にこれは驚きだ。こんな戦力を有している癖に、あのような文明レベルの星を侵略しようとしたのか。

 意味が分からない。なんの得もないだろうに。

 だが、連中の都合など私には関係ない。私はただ使命を全うするだけだ。


「猿、ではない。人間だ」


 それに、連中の言葉は耳障りだった。


「貴様、もしや……!」


 私は、連中の言葉など聞き流し、右腕をかざした。放たれる光。それで、終いだった。大陸型の戦艦は、宇宙空間の塵となった。

 残骸が周囲に飛散していく。そのいくつかが星へと降り注ぎ、燃え尽きる。星の内側からはまるで流星群のように見えるだろう。

 私もまた、残骸に紛れて星へと降り立つ。もう私が国に戻ることはない。私のこの時代での使命は終わった。あとは、生き残った者たちが、紡いでいくだろう。


 そして、私は再び、その眠りについた。


***


――10053


 私は目覚めた。

 案の定、厄介なことが起きていた。


「た、助けて!」


 私の目の前で幼い少年が涙を浮かべ、かすれた声で叫んでいた。

 周囲を見渡す。瓦礫の山だ。遠方では雷鳴のような轟音が響いていた。立ち上がる黒煙、燃えさかる炎、そしてその奥で揺らめく影……なる程、どうやら時代がかなり進んだらしい。

 そして状況は危機的らしい。


「承知した。私は君を助けよう」


 どうやら私の今回の使命は比較的単純なものらしい。いつもこうだと嬉しいのだが、最近……少なくともここ十数回の目覚めは大抵面倒臭いことばかりだった。やれ信念だ、やれ理想だ、理由、目的、大いなる意思、偉大な計画……あぁ、もうそれらにはうんざりだ。やってる当人たちからすれば、心地よいのだろうが、物事は何事もシンプルが良い。それで、充分だ。


 炎の向うからまばゆい光が放たれ、私に直撃する。灼熱の光学兵器、いわばビーム兵器だ。

 だが、私の体には傷一つ、ついていない。

 問題はない。


『な、なんだぁ貴様はぁ!』


 揺らめく炎、それを破り去るように影が躍り出る。鉄の蜘蛛というべきか、巨大な四つ足のマシーンが私の目の前に現れた。


『えぇい、名を名乗れ!?』


 名乗れと来たか。

 私は、この質問が一番苦手だ。

 なんせ、名前が好きじゃないからな。だが、問われれば名乗らなくてはなるまい。


「私の名はアルゼンタム」


 私は四つ足のマシーンを睨みつける。


「あまり好きではないのだが……」


 それだけは呟くように言った。


***


 うむ。やはり、今回の目覚めは比較的、私好みだ。

 勧善懲悪というべきか、難しいことを考えなくてすむのが良い。いや、私個人は、という意味だが。

 恐らくだが、私の事を含めて、この時代の者たちは多いに頭を悩ませていることだろう。場合によっては会議の場で、私の所存を巡って乱闘騒ぎなどおきてはいないだろうか。


 まぁ殴り合い程度なら笑い話だろう。それ以上に発展しないことを切に願う。

 さて、今回の私の敵は、なにやら『悪の天才科学者』を自称する者だった。なるほど、天才を名乗るだけの事はあり、ほぼ単独で様々なマシーンを作り出しては世界中に放つ。


 私個人の感想を述べると、こういう輩はもう少し自分の能力を他人の為に使うべきだと思うのだが、彼らは中々そうしない。

 例外も少なからずいるのだろうが、私が今まで見てきた自称・天才科学者たちは大抵、こらえ性がない。偏屈といっても良い。もう少し、己の状況を鑑みることが出来れば、こんな無駄なことをせずとも、世界から喝さいを受けるはずなのに。


 だが、他人と相いれることができない者は少なからずいる。今回の私の敵もそういう奴というわけだ。それは、別に構わない。個人の問題だ。

 だが、少なくとも他人に迷惑をかける必要性は全くないのだ。世の中に不満があり、行動力があるなら政治家にでもなればいい。

 イマドキ、正直な言葉を熱く語る政治家は大いに受けるだろう。大成するとは保証しないが。


***


 自称・悪の天才科学者の牙城が崩れ落ちていく。

 それは大海原を行く巨大な島だった。それが一つの要塞であり、彼の最高傑作ともいえるマシーンであった。

 私がこの時代に目覚めて36時間。私は、彼を追いつめた。彼の繰り出すマシーン軍団は全て破壊した。残るは彼だけだ。

 個人でこのようなことを行っていたせいなのか、もっと別に理由があるのか、それはわからないが、彼の戦力は驚く程少なかった。


 その分、性能という点においては、中々だったといえる。

 なんと、私に傷をつけたのだ。だが、自慢ではないが、私には傷を癒す力がある。その程度の傷は、傷に入らない。

 色々とすまないとは思うが、そればかりは私の責任ではない。


 彼は、結局、己の城と運命を共にした。

 潔いとは言わない。愚かだなとは思う。だが、彼にも彼なりの矜持があるのだろう。それを私がとやかくいうことはない。

 まぁ、力づくで排除した手前、申し訳ないとは思うが、他人に迷惑をかける以上、それは許されない。


 崩れ行く城を見届けた私は、空を見上げた。

 青い空だ。いつ見ても、空は美しい。

 そして、私は再び眠りについた。


***


――12071


 私は目覚めた。

 うん? 空が曇っている。これは少し残念だ。私は青い空が好きだ。透き通り、澄み渡った空が好きだ。なのに、空には巨大な鉄の塊があった。

 直系は数百キロメートル。いくつものブロックを併設した巨大な施設。要塞というべきかもしれない。とにかくそんなものが今、空から降ってきているのだ。


 何とも。また、唐突な状況だ。

 私は、立ち上がり、飛んだ。この状況では、誰かに質問をしている暇はない。アレをなんとかしなければ、被害は甚大だ。

 巨大要塞へと飛翔する私の周囲に何やら十メートル程の人型のマシーンが群がってくる。この時代の機動兵器か。

 警告を呼び掛けているようだが、私に言わせてもらえれば、私などを警戒するより空から降ってくれるあれを何とかする方が先決ではないかと思う。


 だが、長年の経験で、私はこの状況で下手なコンタクトは無意味だと判断した。

 案の定、警告を無視する私の無数のライフルとミサイルが撃ち込まれるが、まぁ通用はない。

 それを見て、ムキにでもなったのか、それらはビームソードを抜いて、切りかかってくる。私はそれを無視して、加速した。


 バッバッと閃光が弾ける。えぇい、鬱陶しい。


「こちらの目的は落下物の処理にある。貴官らの冷静な判断を求める」


 あぁ、やってしまった。つい、口を出してしまった。

 だが私は悪くない。この状況で、私を攻撃する方が悪いのだ。

 私の言葉に彼らは驚いている様子を受けたが、それはそれとして、我に返ったのか、頭上の巨大要塞を唖然と見上げていた。

 なんだ、やる気はないのか? まぁ、今更、彼らではどうこうもできないのだろう。


 だからこそ、私が目覚めたというわけか。

 それにしても、嫌な予感がする。今回の目覚めは私の苦手なパターンかもしれない。


***


 巨大要塞を粉砕してからというものの、私の立場は中々に面倒臭いものとなった。慣れはいるが、やはり気分の良いものではない。空気が嫌だ、といえばいいのだろうか。

 警戒されるのは構わないし、罵倒されるのも構わないが、私を出汁にして、小難しい舌戦を繰り広げて欲しくないし、その延長で戦争なんてして欲しくないのだ。


 今回の時代は、まぁ言うなれば地球の軍隊と宇宙の軍隊の戦争だ。

 お互いに意見があり、理由があり、目的がある。人種問題であるとか、資源問題であるとか、簡単には片付かない問題ばかりだ。


 それで、なぜか戦争へと発展したらしい。

 相変わらず、難儀なものだ。この場合、私はどちらの組するわけにもいかない。まぁしいて言えば、地球寄りというべきか?

 だが、宇宙の方に侵攻するつもりは毛頭ない。そうなると、どっちつかずで動くしかないが、それは混乱のもとだ。


 だから、こういう状況は嫌いなのだ。

 

***


 で、だ。

 この手の厄介な時代に目覚めた場合、私が取るべき行動は二つある。一つは徹底的に介入して、双方を疲弊させることだ。そして私を共通の敵として、認識させ、一応の合一を図らせる。

 だが、これは好まし方法ではない。

 二つ目は、もう無視して再び眠りにつくことだ。これが一番手っ取り早い方法だ。私の力をもってすれば、地中奥深く、それか海底に沈むことも可能だし、それで損傷を受けるわけでもない。


「我らの民、数億の為! 貴様の力を我がものとする!」

「させない! そんなことは絶対にさせない! この世界に、あんな力は必要ないんだ! それを……!」


 私が目覚めて五時間後。

 私の目の前で二体のマシーンが舌戦を繰り広げながら、激闘を行っている。どうやら、私は置いていかれているようだ。

 ふむ、では、ここは邪魔をしてはならん。私は戦いを続ける彼らをしり目に、さっさと地中奥深くへと沈降を開始した。


 その刹那、先ほどまで戦いを繰り広げていた両者がピタリと止まり、こちらを見つめているようだった。

 私は、取り敢えず、見上げて、しばしは沈黙を保った。


「……ほどほどにしておけ」


 が、耐えきれなくなってそれだけを伝えた。

 私は、再び眠りについた。


***


――28906


 私は目が覚めた。

 荒涼とした大地。広がるのは赤道色の岩肌と吹き荒れる砂塵、そして澄み渡る青い空だ。

 空は綺麗だ。だが、大地は汚れきっている。草木の一本も見当たらない。砂漠の大地だ。


 時代は……まぁいいだろう。このパターンは時代なんてどうでもいい。

 しかし、一通り見まわしてみたが、生体反応は検出されない。微生物のいくつかは残っているかもしれないが、あいにく、それらを検出するほど、私は細かくない。


 さて、困った。

 このパターンは出来るなら起きて欲しくないものだ。

 大体、面倒臭いだ。やり直す必要がある。とはいえ、私がやるのは下準備であり、直接手を出すわけじゃない。

 

 この時代における私の使命。

 それは……


***


――2100


 私は目覚めた。

 私の名はアルゼンタム。

 私の使命はこの地球を守る事。そして地球人類を守る事。

 私の使命は……


『アルゼンタム。お前は、未来永劫、この星の為に生きる。いつか、この宇宙が終焉を迎えるその時まで。お前の使命は続く。お前は……永劫に生きるものだ』


 私の名はアルゼンタム。

 私の使命は……私の、使命は……この地球を、生命を、見守り、育むものである。


***


――50671


 私は目覚めた。

 空は青い。周囲を見渡すと、そこは山村のようだった。髷を結った男たちが私を見上げて、悲鳴を上げている。

 老人たちは手を合わせて拝んでいる。

 うむ、どうやら神様だと思われているようだ。

 さて、今回の私の使命は何かな? 人助けであれば、快く手伝おう。戦なら、すまないが他を当たってくれ。


「要件を聞こう。私は、何をすればいい?」


 私の名はアルゼンタム。

 私は人を救うもの。世界を救うもの。全てを見守るものである。

 私の使命は……

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