マーマン・ブギーナイツ

鱗青

マーマン・ブギーナイツ

スイスイと機織はたおりのように

頭の上を泳ぐ魚たち

冬の海の夜の高みを


目を奪う群青、狂乱にふさわしい銀色

そして

波の向こう、泡の彼方に微笑んでいる満月



漂泊ながれることに倦怠あき此処ここに居たいと願う

もう何処どこにも行きたくはないと

珊瑚たちは答える お前の安寧やすらぎはない だから悲しみは置いていけと


へえ そうなのか 仕方ないねと

無理して笑ってつくろって

じゃあまたね いつか 巡り会えたらねと

水ばかりのこの海原でそんな機会チャンスなど二度とないことをきちんと理解してもいないのは君のほう


僕らは別れた方がいい 頭の上を泳ぎ去る魚のように

冬の海の夜の高みへ

目を奪う群青、狂乱にふさわしい銀色 そして

波の向こう、泡の彼方に微笑んでいる満月


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マーマン・ブギーナイツ 鱗青 @ringsei

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