魔女ノ魔王

 ――最も恐ろしい存在は?


 もし、この大陸でそれを問うことが出来れば、ほとんどの場合はこう返ってきただろう。


 ――禁忌の魔女に決まっている、と。


 けれど、それは恐れなどなく語られた筈だ、誇らしき英雄譚の一つとして。



///



 ――此れは、最も新しく、この地の誰もが知っていた、語り継がれた英雄譚。


【聖騎士の物語】


 禁忌の魔女。


 それは、世界全てを己がモノのように振る舞い、災厄を撒き散らすおぞましい怪物。

 勇者や賢者が、幾度も討伐を試みるも、その誰もが破れた忌まわしい存在。


 けれど、ある日、国に一つの知らせが届く。


 思い上がった禁忌の魔女が神の怒りを受けて破れたと。

 そして魔女は、生き延びはするものの、その力のほとんどを失ったという吉報が。


 本来ならば、そんなものを信じることはない。


 けれど、神よりもたらされた言葉だったのだ。

 この大陸に住む全ての人間にその神託は届けられた。


 曰く、魔女は敗北したものの、神をこの世界へと干渉させぬ結界を張ったのだという。


 けれど、神はこうして神託を届け、忌まわしき魔女を討伐する機会を人々に与えたのだ。


 神託を受けた各国の王はそれぞれの国において最も優れた騎士達を集める。


 弱ったといえど、禁忌の魔女。

 それを倒す為に、大陸における六つの大国が手を取り合ったのだ。

 

 そして、国の誇りたる精鋭六人の騎士団が向かった魔女の住処。


 穢れた瘴気の漂う忌まわしき館の前で騎士団を待ち受けたのは、魔女の使い魔たる魔狼。

 一人の騎士が魔狼を受け持ち、仲間を魔女の元へと向かわせる


 そして、先をいった騎士達は、遂に魔女へと辿りつく。


 魔女と騎士達の戦いは長く続く。

 魔女の魔法を騎士達は苦戦しつつも、隙を見て攻撃をかけるが防御魔法で防がれる。


 どちらも決め手がない戦いだが、いずれは騎士達の体力は尽きてしまうだろう。


 そこに一人の少年が現れる。彼は、魔女を倒さんとやってきた、勇者であった。


 魔狼を一人で倒した騎士が、魔女に捕らえられていた勇者を救い出してきたのだ。

 そして、新たに現われた騎士と勇者の助成により、遂に魔女は倒れる。


 だが、魔女を倒して安心するのもつかの間。禍々しい気配が、屋敷に満ち溢れる。

 なんと、魔女は古の魔王の復活を行っていたのだった。


 復活の儀式の最中、それを執り行う魔女が滅んだお陰で不完全な状態の魔王。


 けれど、満身創痍の騎士達にそれに抗う術は無い。

 一人、また一人、と命を散らせて行く騎士達。


 そして、最後の騎士が倒れる寸前、勇者の少年が、その命と引き換えに魔王を討つ。


 ただ一人、生き残った騎士は、他の騎士たちの奮戦、勇者の雄姿を国に伝える。

 その姿に胸を打たれた各国の王は、騎士をこの大陸の守護騎士と命じた。


 騎士は、今はなき仲間と勇者の意思を継ぎ、大陸全ての人々を守ると誓う。


 魔物の襲撃、飢饉や災害、国々の諍いなど、大陸に巻き起こる様々な災厄。

 その全てから、騎士はその力と英知を持って人々を守り抜く。


 そして、今もこの大陸は平和で穏やかな日々が続く。

 大陸全ての人々を護る、偉大なる聖騎士のお陰で。



///



 そこには、何もなかった。

 否、何もかもが崩れていた、というべきか。


 その場所には、本来神殿があった。


 けれど、そこあるのは、もはや瓦礫と残骸だけ。

 この大陸全土を見守りつづける神を祀る、神殿。


 主教として、大陸全土に国を超えて広まるその教えの総本山として、様々な国から人々が集まる不可侵の聖地であり、ひとつの小さな国と、聖都とも呼ばれた特別な場所。

 

 だが、もはやそこは見る影もない。


 訪れたもの誰もが感嘆をつくほどの美しい建造物はただの瓦礫の山に。

 神殿を囲むように作られ、厳かながらも活気のあった街には人の気配は無く。

 澄み渡るような清浄な空気は消えうせ、重く澱んだ黒く禍々しい瘴気があたりを漂う。


 一体何が起きたのか?


 本来なら誰もが抱くはずの疑問だが、それを問うものはこの場には一人もいない。


 何故なら、この聖都にいた人間は、一人残らず死に絶えていたから。呪いかはたまた瘴気によってか、外傷は無いというのに街の住民は誰もがその命を失っていた。


「ここは……?」


 生きた人間は誰もはずのその場所、そこで声が上がる。


 それは、戸惑ったような、年若い声。


 廃都となったその場所の中でも、最も瘴気の強い澱みの中心。そこにボロボロの服を纏いながらも、怪我ひとつない金髪の少年がいた。


 本来、人間がいればすぐにでも死に絶えるであろうその禍々しい地において、平然とした様子で少年は声を出す。けれど、当然ながらそれに答えるものなどいない。


「一体何が、というか、僕は……」


 呟き、少年は気付く。自身が何も知らないことを。


 この場所に何故いるのか、この惨状はどのようにして起きたのか、そもそも自信は何者か、ということすらも。彼には目が覚めて以来の一切の記憶がなかったのだ。


「まずはここを移動しないと」


 こんな瘴気の漂う場所、他に誰かがいるとは思えない。


 そう考えて、彼はその場から離れようとする。けれど、瘴気は全く薄くならない。

何故なら、瘴気は彼自身から溢れ出ていたのだから。目が覚めた当初は気がつかなかったが、動いていけば嫌でもそれは理解できた。自らが、この瘴気を生み出しているのだと。


「僕は、なんなんだ……?」


 人が耐える事などできぬほどに、濃密で禍々しい瘴気。

 それを受けて平然とするどころか、自らそれを生み出すような存在なんて。


 誰かに問いただしたい。けれど、ここには誰もいない。誰かを探そうにも、致死と思えるほどの瘴気を自らが発せさせている以上、生きた相手と話すことなど不可能だろう。


「誰か、いませんかー?」


 生きた人間なんて、自分以外にいるはずがないと彼自身も分かっている。けれど、もしかしたら、自分と同じような相手がいるかもしれない、と諦めながらも願いを込めた言葉。


 返事なんて、あるはずがない。そう思っていた問いかけ。


「えぇ、いるわよ、ここに」


 若い女性の声が響いた。


「えっ、どっ、何処!?」


 返答があったことに少年が驚く。けれど、辺りを見渡せど、その姿は何処にもない。


「ふふっ、上よ、上♪」


 場違いな楽しそうな声。


 それに誘われるまま、少年が空を見上げると、そこには女が浮いていた。


 透き通るような銀の長髪の上に黒い三角帽子をかぶり、その身には漆黒のドレスと黒いマント。更にその手に大きな宝玉の付いた杖を持った、美しい女性。


 伊達や酔狂でする格好では無い。空を飛んでいることからも、その姿から導かれる存在は、たった一つ。この大陸で、もっとも忌むべきものとされる、恐ろしい存在。


「魔、女……」


「ええ、そのとおり」


 少年の瘴気も、そして彼の戸惑いもまったく気にせず、その傍に降り立った魔女はからかうように笑いかける。まるで愛しい相手に会えたかのように嬉しそうに。


「さぁ、行くところもないんでしょ、私と一緒に行きましょう?」


「……いいのか?」


 そう言って、差し出される魔女の手を、少年はおずおずととった。


 たとえ彼女が魔女だとしても、瘴気を纏った自分と共にいてくれる相手が欲しくて。


 こうして少年は、世界から忌まれる魔女に拾われたのだった。



///



 朝。フライパンで熱される、ベーコンの香ばしい匂いが漂う食卓の上には、焼けたパンやサラダにスープといった、簡素ながらも美味しそうな朝食が出来上がっていた。


 けれど、この場にいるのは調理者のみ、本来つくべきもう一人の姿はどこにもない。


「あいつ、まだ起きてないのかよ……」


 呆れたように調理者は声を漏らす。その声は、幼さが残るながらも男のもの。そう、これらを作ったのは、魔女――ではなく、彼女に拾われた少年だった。


 彼が魔女に拾われてから、早一月。料理、洗濯、掃除、などなど、買出しを除く家事のほぼ全てを少年は執り行うこととなっていた。


 拾ってくれたお礼に、というわけではなく魔女が一切何もやらないがために。


「まったく、僕がくるまではどうやってたんだよ……」


 そう疑問に思うのも仕方のないことだろう。


 少年が片付けなければゴミは出しっぱなしなうえに、物は散らかし放題。料理を作るはずもない、けれどしっかり食事は食べる。


 唯一彼が出来ない買出しについても、使い魔が行ってくるので魔女は本当に何ひとつ家事をしていないのだ。


「まぁ、片付かないし、いつも通りさっさと起こすか……」


 ベーコンを更に移し終え、料理の準備を終えると少年は調理場を出る。


 訳の分からない物が大量にある為、無駄に広い屋敷を移動し、辿りつく魔女の部屋へと少年は向かっていく。折角の料理だが、今日も冷めてしまうことだろう。


「おーい、起きろー!」


 言いながら、ガンガン、と壁を叩く。

 しかし、返答は無い。そこまで含めていつものことである。


「まったく、少しは学習したらいいのに……」


 溜息をつきつつ、鍵のかかっていない扉を開ける少年。そのまま部屋の中心、よく分からない呪文書や素材に埋もれるようにして眠る女――彼を拾った魔女の方を揺らす。


 が、一向に起きる気配は無い。けれど、これもいつものこと。ならばどうするかといえば簡単である。


「よっこらせ、っと」


 そんな掛け声と共に少年は抱え上げる、眠ったままの魔女を。


 いくら魔女が女性といえど、人一人抱え上げたまま動くのは、まだ年若い少年には難しいはずなのだが、彼はそんなことを気にした様子もなく、そのまま魔女を抱きかかえて食卓の元へと運んでいく。



「んー、いい匂い。今日も美味しそうな料理ねぇ」


 椅子に座らせ、少し冷めてしまった料理を温め終えたところで、ようやく魔女が目を醒ます。叩いたり揺すったりしても起きないくせに、こうやって少年が食事の準備を完全に整えてやると目を醒ますのである。


「もう、少しはこっちの苦労もわかってよ……」


 彼の言うとおり、毎朝料理の後に起こしに行く、というか運びに行くのは大変だ。それに、料理を温めなおすのも手間である。


 一度、料理を作る前に魔女を運んだこともあったが、調理の最中に目覚めた魔女から、散々催促をされ続けたうえに、味見と称して邪魔を繰り返されただけだった。お陰で、面倒ながらも出来てから呼びにいく、という形をとっているのである。


「それで、今日はなにするんだ?」


「んー、まぁいつもどおり、まずは君の身体の調整、かしらねぇ」


 食事を終えるのを見計らった少年の問いかけに、名残惜しそうにフォークを咥えながら魔女が答える。その様子は、人々から恐れられる『禁忌の魔女』などという名からは程遠い。


「……やっぱりそうか。まぁ、分かってはいるんだけどさぁ」


 いつもどおり、という言葉の通り、それはもはや日課となっていることだった。少年が魔女に引き取られてから、毎日行われている身体の調整。


「何言ってるのかしら、必要なことだとは分かるでしょ? いい加減慣れなさいよ」


「いや、大事なことってのは分かるが、それでも、あれは……」


 彼だって、それが大切なことだとは理解している。垂れ流しだった瘴気も、その調整のお陰でほとんど出てこなくなったうえ、身体のだるさが楽になっている自覚はあるのだから。


 けれど、言いよどむ少年に、魔女は怪しく笑みを作り、からかうように言葉を紡ぐ。


「というか、君だって、なんだかんだで嬉しいんじゃない? 私のような、美女に世話してもらえるなんて? むしろ、気持ちいいんじゃないかしら?」


「そんなことあるわけないだろ! 恥ずかしいだけだっていうのに!」


「あら、私の身体、そんなに魅力がないかしら?」


「いや、だからそれは今言ってることとは違うだろ! むしろ、お前がそんな格好だから、僕だって……!」


「でも、調整には必要なことだもの、仕方ないでしょう? ほら、そろそろ食事も終わりにして、調整に行くわよ」


「あーもう、分かったよ、片付けてからそっちにいくから、先に準備しておいてくれ!」


 投げやりに言い放つ少年。


 ちなみに、身体の調整の具体的な内容としては、下着一枚になって寝台に仰向けになった少年を、同じく下着のみの姿となった魔女が書いたり、撫でたり、時には舐めるなどする行為である。


 ……魔女曰く、性的な意味ではなく魔力をいきわたらせる為、お互い裸身に近い姿で、そして肌を合わせていく必要があるとのことだが、少年にとっては毎日の憂鬱の一つであった。まるで嬲るような魔女の責めに、ひたすら耐えなくてはいけない羞恥のせいで。


「はい、それじゃあ、今日の身体の調整はこれで終わり、ね」


「……あぁ」


 気力を使い果たしたような少年と、ツヤツヤと笑顔の魔女。

 少年の身体の調整を行った後は、いつもこのようになるのは恒例である。


「じゃあ、あとは仕上げね」


「……分かった」


 仕上げ、という言葉に少年は憂鬱となる。これもまた、毎日のことながら、慣れないことだ。必要といわれ、効果があると分かっても、どうしても受け入れられないのである。


 そんな少年をよそに、魔女はおもむろにナイフを取ると、自らの掌を無造作に切り裂いた。そして、流れる鮮血を、小さな透明なコップに滴り落としていく。


「はい、ぐいっといっちゃって」


 そう言って渡されるのは、なみなみと赤いもの注がれたコップ。勿論、その中身は先ほど彼女が滴り落とした血液である。


「なんでそう、軽いんだか……」


「だって、実際大したことは無いのだもの。ほら、見ての通り、ね?」


 魔女が掌を見せ付けるが、魔術を使ったのか傷は完全に消えていた。だが、傷が残っていないからといって、そう簡単に割り切れるものではないのだ。


「ほら、新鮮なうちにさっさと飲んでくれないと、生き血の意味がないわよ。そしたら、もう一回やることになるんだから、いい加減観念しなさいよ」


 魔女の言うとおり、新鮮な生き血だからこそ意味があるのだ。最初数日などは、躊躇ってしまい、結局もう一度魔女に血を流させることになってしまっていたのだから。


「あぁ、分かってる。薬、これは、薬なんだ……」


 自らに暗示をかけるように、目を閉じたまま受け取った血液を一気に飲み干す少年。


 外から肌を合わせていくことにより魔力を浸透させた上で、更に内側から魔女の血によってその身を作り変えていく。それが、少年の身体を治していく為の調整なのだ。


 だから、互いに肌を合わせないといけないし、生き血を飲む必要がある。


「はぁ……」


 ――そう分かっていても、慣れることはできなそうだ、と少年は心の中で嘆息する。


「それじゃあ、私は今日は研究してるから、君も自由に過ごすといいわ。屋敷の本を読むでも、身体を動かすでも好きにしてちょうだい」


「あぁ、分かった。ありがとうな、魔女」


「礼なんて要らないわよ。私は好きでやっていることなんだから」


 なんて魔女は嘯くが少年にとって、見ず知らずの彼を拾ったうえで、治るとはいえ自らの身体を傷つけてその治療に当るなど、どう考えても恩義を感じないわけにはいかないのだった。


「あぁけど、お礼だったら、今日も料理に腕を振るってくれると嬉しいわ。あ、出来上がったら、いつも通り呼んでね」


「勿論、美味しいもの、しっかり準備しておくさ」


 魔女の要望に苦笑して答えながら、これからの自由時間をいつも通り料理の準備と、新しいレシピの模索に当てようと思いを馳せる少年。


 身体の調整は慣れないながらも、それを除けば平穏で心地よい毎日。

 けれど、そんな日々は、ある日突然、あっさりと終わりを迎えることとなる。



 いつものように少年が食事を準備し、その後に魔女と身体の調整を行って、各々読書や鍛錬、研究に打ち込んでいく。


 その日も、そんな何の変哲もない一日――のはずだった。


「ォーン!」


 始まりは、獣の鳴き声。


「えっ?」


 この屋敷にいる獣といえば、使い魔である一頭の狼である。だが、賢い彼が何もないのに吼えるなどということは無い。 


 読書をしていた少年は耳元に届いたそれに戸惑いながら、書斎を出ようとする。


「あれ、壊れたのか、こんなときに……」


 ガチャガチャと、ドアノブを回すも空回りするばかり。ドアは開く気配は無い。

 どうしたものか、無理やり壊してでも出るべきか、と少年が思い始めたとき。


『ちょっとお客さんが来たから、君はそこで待っていなさい。変に騒いだりせず、大人しくしていればそのうち終わるから、そこを出ちゃダメよ』


「あっ、ちょっと、なんだよ、いったい」


 一方的に響いてきた魔女の言葉。


 これはたまに魔女が使う遠話の魔術である。だが、これまであったのは食事の催促ぐらいで、こんな風に閉じ込められるなんて初めてのことだ。


「そもそも、来客なんて誰がくるっていうんだよ、こんなところ」


 魔女の館があるのは瘴気の漂う深い森の中。そしてその実態を知っている少年にとっての怠惰なだけの存在だが、多くの人にとって魔女は恐れるべき存在であるはずなのだ。


 ならば、そんな魔女の館にわざわざ来るような相手とは、どんな存在か?


「ッ、あいつ、まさか……!」


 少年は、その答えに思い至る。この屋敷に来る来訪者の目的なんて、一つに決まっている、と――魔女の討伐、というものに。


 そして大人しく待て、なんて命令を無視して扉を開こうとする。ノブを回せないならと、体当たりで扉を壊そうとするも、木製のはずのそれはまるでビクともしない。


「くそっ、行って何が出来るかはわからないけど、あいつに全部背負わせて堪るかよ!」


 けれど、無情にも、扉は開かない。少年を閉じ込める為に魔術か何かが使われているのだろう。最初の一度以来、魔女からの連絡はなくただ、扉を壊そうと少年が足掻く音だけがその場に響いていく。


 そして、少年が閉じ込められ、しばらくの時が経ったとき。


「えっ」


 あっけなく、扉が開いた。あれほど堅牢だったのが嘘のように、あっさりと。


 ――ただし、開けたのは少年ではなかったが。


「おっ、騒がしいと思ったらガキがいやがったか」


 扉を開けたのは銀の鎧を着込んだ粗野な男。彼は少年を見つけると、面白そうに笑みを浮かべる。まるで便利な道具を見つけたかのように。


「その身なりだと、実験体とかじゃあねぇな。つーことは、魔女の弟子か情夫ってとこか、こりゃいいもんを見つけたぜ! 始めに犬相手に残されたときは微妙かと思ったが、これなら大手柄だな……!」


「あんたは……っぐ!?」


「っと、騒がれると邪魔だな、おらっ!」


 少年のことなど一切気にかけず、男は無造作にその腹を殴打する。そして突然のことに意識を失った少年をかかえると、上機嫌に歩いていく。上から聞こえる喧騒の元へと。



 屋敷の二階の研究室。


 普段魔女が私室としているそこには、現在彼女のほかに招かれざる客が五人いた。


 銀色の鎧を着込んだ男達。鎧以外は体格は勿論、髪や肌色、武器に至っても統一されていないが、その眼差しだけはギラギラと光っていた。


「さて、あなた達はなんの用かしら?」


 分かりきっていることを、あえて魔女は問いかける。楽しげに、あるいはとぼけるような様子で。このような男達の目的など、決まりきっているというのに。


「はっ、決まってるだろ、あんたの首さ! 色々と派手に暴れすぎたんだよ、あんたは。国のお偉いさん達も、手段を選ばなくなったってことさ!」


「ですねぇ、まさか僕らをまとめて派遣するなんて、正気の沙汰とは思えませんし」


「ヒヒヒッ、けど、おかげでいいヤマが出来ますからね。この見た目なら、殺す前にはしっかり愉しませてもらえそうですね。あ、泣いて請うなら奴隷にして生かしてやっても」


「まったく、下品な。私としては、さっさと終わらせて報酬を受け取りたいんだが」


「まぁ禁忌の魔女なんていう名前だ、お宝もざっくり溜め込んでるだろうし、儲けに関しちゃ心配いらねぇだろ? まったく、わりのいい仕事だぜ」


 五人それぞれが思い思いの、けれど身勝手な欲望塗れの言葉を吐き出す。


 彼らは、各国それぞれ有数の実力者でありながらも、その素行や性質から持て余されている存在だった。そんな彼ら、たとえ失っても大きな痛手ではない、けれど同時に実力は充分にあるもの達を集めて討伐の騎士団としたのがこの一団なのである。


 そんな男達の様子を見て、魔女は一層笑みを濃くすると、言い放つ。


「それじゃあ、お望みどおり遊びましょうか!」


「なっ!」「ぐっ……!」「うひっ!?」「くそっ!」「ちっ!」


 魔女の放った突風――風の魔法により、男達は一様に体勢を崩しかける。


「落ち着け、こんなのは所詮風だ! どっしりとかまえりゃ、どうってことはねぇ!」


 もとより重量のある鎧を着込んでいるのだ。魔法とはいえ、ただの風程度では男達には牽制にしかならない――が、それは風だけだった場合のことだ。


「ぎひぃいいいっ!?」


 男達の中でも小柄な一人が、突然声を張りあげ飛び上がる。そしてそのまま倒れると、ぴくぴくと痙攣する。意識はあるようだが、暫くはまともに動くことは出来ないだろう。


「くそっ、雷撃の魔術か……! しかたねぇ、障壁を張れ!」


「はぁやれやれ、結構疲れるんですがねぇ」


 リーダー格と思しき男の支持で、眼鏡をかけた男が手をかざす。すると、その手を中心として半透明の膜が出来上がる。何度か雷撃の魔術と思しき光が風に紛れて飛んでくるが、それらは膜に当ると、その向きをずらされ見当違いの方向へと飛んでいく。


「あら、つまらないわね。まさか、障壁を使えるなんて、っと危ないわねぇ」


 魔女の眼前に矢が迫る、がその寸前で壁に阻まれるようにして弾かれる。男達のうち一人が気付かれぬよう放ったものだったが、魔女も事前にその対策をしていたのだ。


「ちっ、そっちもやっぱ障壁を張ってやがったか……!」


「えぇ勿論。そうじゃないと、あなたたちみたいな相手とお話しするのは怖いですもの」


 男達と相対するより以前、使い魔より報告があった時点から魔女は障壁を用意していたのである。事前にしっかりと準備されたそれは、魔女の魔力もあいまって男達のものとは比べ物にならない強度を誇っていた。


「あぁ、くそっ、魔女は弱っているから楽な仕事だって聞いたのによ……!」


「あら、実際物凄く弱っているわよ? 本当なら、あなた達なんて障壁ごと切り刻んであげるぐらい造作もないはずなんだから」


「化け物が……!」


 悪態をつく、が男達にはそれ以上のことは何も出来ない。


 こちらの障壁から出て武器で切りかかろうにも、風で体勢を崩され雷撃で狙い撃ちにされてしまう。もし、それらをかわして魔女の元に辿り着いても、その眼前には強固な障壁が待ち受けているのだから。


「こちらとしても面倒なのだけれど。ふぅ、お互いに決め手にかけるというのはつまらないわねぇ」


 そう、魔女の方も風は全て防がれ、時折放つ雷撃の魔術も障壁に阻まれてしまう、という状況で攻め手にあぐねているのであった。魔女とは違い、魔力のあまりない男達の障壁はいずれ消滅するだろうが、それまでにはまだ時間がかかりそうでもある。


「んー、そうだ、これならどうかしら」


「なっ、ぐっ!?」


 唐突に思いついたかのように、魔女が一度に五つの雷撃を放つ。


 それを男達の障壁が受け止める。その大半は逸らして防ぐことは出来たが、いくつかは障壁を突破し、そのうちの一つが威力を弱めながらも男達の一人へと届いた。


「あら、これなら少しは通るのね。それじゃあ、これならどうかしら……?」


 そう言って、魔女は今度は先ほどよりも更に多い、数十個の雷撃を用意する。本来なら、創りだしてすぐに打ち出せばいいものを、あえて恐怖をあおるように空中に留めたままで。


「それじゃあ、カウントダウンをしましょうか。ごぉ、よん、さん、にぃ――」


 ぜろ、と魔女が言った瞬間、一斉に雷撃が飛んでくる。そうなれば、もはや障壁など意味を成さず、大量の雷撃に撃たれ男達は絶命するだろう。


「いち、ぜ――っ!?」


「おい、面白いもんを見つけてきたぜ!」


 新たな男がその場に現れる。ただ、それだけなら魔女もその攻撃の手を緩めることはなかっただろう。けれど、男の腕に抱かれた少年を見たためか、魔女は言葉を止めて固まってしまう。


「ははっ、これは確かに、面白いな! おい、魔女さんよ、こいつが大事なら魔法を解きな!」


 魔女の様子に、男達は形勢が変わったことを認識する。六人目の男が連れてきたこの少年は、魔女にとっての身内であると。魔女に対して有効な、人質である、と。


「……分かったわ、これで、いいんでしょう」


 魔女が手を振ると、部屋を埋め尽くすほどに浮かんでいた雷撃の魔術が消え去った。その様子に、男達は心の中で安堵する。


「よし、それじゃあ、障壁もしっかり解除したのかの確認だ、やれ」


「あぐっ!?」


 男の一人によって放たれた矢。

 今度は障壁に阻まれることもなく、魔女の肩へと突き刺さった。


「よし、大丈夫みたいだな。だが、近づくのは危険だし、お前ら、このまま矢を放て」


「了解です。少し勿体無い気もしますが、危険ってことは嫌になるくらい分かりましたからねぇ」


 リーダーの指示に、他の男達も従って矢を放つ。抵抗もしない魔女は、男達に取ってもはや恐怖の対象ではなく、弱弱しいただの的も同然である。


「折角だ、こいつにも見てもらうか、おい、起きろ!」


「んんっ、えっ、ここは、あっ、なんで!?」


 少年を抱えた男が彼を起こす。


 けれど、少年が目を醒ますと、そこで繰り広げられていたのは予想だにしなかった光景。


「だい、じょうぶ、だから……」


 身体のいたるところに、矢を刺され、血に塗れた魔女の姿。そんなにボロボロになりながらも、少年に心配をかけないためか、魔女はいつものように笑みを浮かべる。


「どうして! お前、魔女なんだろ! こんなやつら、どうだってできるだろ……!」


「おいおい、お前を護ってくれてる優しい相手に対して、なんていい草だよ?」


 リーダー格の男が嘲笑するように言葉をかける。そして、少年もすぐに理解する、自分のせいで、こうなってしまったのだと。自分が、言いつけを破り書斎から出ようとしたから、大人しくしなかったから男に捕まり、そして魔女をこんな目に陥らせてしまったのだと。


「それじゃあ、最期のご対面も済んだことだし、派手に決めてやりな――やれ!」


 その掛け声で、一斉に矢が放たれる。三つ同時に放たれた矢は、魔女の眼窩、首、胸、をそれぞれ貫いていた。魔女から噴出した真っ赤な鮮血が、男達のほうまでも飛び散ってくる。


「あっ、あ、僕の、せいで、あいつが……」


 僅かながらも顔についた液体。拭った手についた鮮やかなそれを見て、少年は何かが音を立てるのを聞いた。そして自分の中の、何かが崩れていくことを感じていく。


「がっ、ぐぐっ!?」


 最初に倒れたのは、少年の最も近くにいた、彼を連れてきた男だった。苦しげに呻いた後、すぐに男はその息を止めた。


「なっ、なんだ、お前何をし、っぁ……」


 問い詰めようと、少年の肩をつかんだ男もまた、倒れる。そして、そのまま動かなくなった。


「こっ、これは、まさか瘴気か!? くっ、障壁を……あぐっ!?」


 眼鏡の男が少年からあふれ出る瘴気に気づき、それを防ごうと障壁を張るが、無駄だった。彼もまた、倒れ、その生に終わりを迎える。


「あぁ、これ、漏れてたのか……」


 瘴気、という言葉を耳にして、少年はようやく自身の変化に気付く。


 いつの間にか改善されたと、直ったと思っていた瘴気が、目が覚めたとき以上の濃度で身体から漏れ出しているのだ。当然、人間がそれに耐えられるはずもない。


「あがっ!?」「ぐぎっ!?」


 逃げようとしたふたりの男。彼らも、少年の横を通り過ぎようとした瞬間、その濃密過ぎる瘴気に触れた瞬間に絶命する。


「くそっ、なんだこの馬鹿みたいな瘴気は……!?」


 リーダー格の男だけは、気分を悪そうにしながらもまだ立っていた。昔に瘴気まみれの迷宮で死に掛けたことがあるお陰で、彼は瘴気に対しての耐性をもっていたのだ。


 このままここにいれば遠からず命を落とすが、それでも瘴気のないところに行けば生き延びることだって出来るはず。そう考えた男は、瘴気を生み出しているであろう目の前の少年に、己の武器である大剣を叩き込もうとする。


「えっ?」


 けれど、それは出来なかった。掲げられた大剣は振るわれることは無い。


 彼には、もう腕がなかったから。否、正確には、身体がなかったから。首から上だけになったリーダーの男は、唖然としたまま頭のない自らの身体を見て、その生涯を終えた。


 その手で首を刈り取った少年は、そんなことを気にした風でもなく、真っ赤な鮮血の溢れ出たその中心、魔女の元へと近づいていく。


「あらあら、まったく……」


 少年のもとに、弱弱しい声が聞こえる。

 身体中を矢に射られ、血に塗れながらも、魔女は生きていたのだ。


「いっ、生きてるのか! 大丈夫か、なにかできることは……!」


「もう、無理ね、流石に」


「そんな……」


 かろうじて生きながらえているといっても、もはや治癒の魔術すらも、今の魔女には効果は無いだろう。そもそもが、そんな魔術を使う余裕なんてものも今の彼女には残っていない。せいぜいが、僅かに残った魔力を使い、少年と話す時間を作るぐらいだ。


「申し訳ないけど、これでお別れみたいね。けど、あなたは、私ともう一度会いたい、って思ってくれるかしら?」


「そんなこと言うなよ! お別れなんて、これで終わりだなんて決まってないだろ……!」


「分かるのよ、もう、ね。それで、あなたは私に会いたいと思ってくれる?」


 泣きぬれる少年に苦笑しながらも、魔女はもう一度問いかける。彼が、自分に会いたいと思ってくれるのかを。


「当たり前だろ、会えるのなら、もう一度会いたいよ! 僕にとっての家族はお前だけなんだから! だから、そんなこと言わずに、もっと頑張ってくれよ……!」


「ふふっ、ありがと。君がそう思ってくれるなら、きっとまた会えるわ」


「えっ、なにを、むぐっ……!?」


 戸惑う少年の口に、魔女は自らの指を咥えさせる。


 そして次の瞬間、少年の頭に膨大な量の情報が流れ込み、彼の意識を混濁させる。


「もし、私に会いたいと思ってくれるなら、それを使って頂戴。約束するわ、君が強く想ってくれるなら、きっとまた、会え、るか、ら……」


 呆然とした意識の中、気を失う寸前に、そんな言葉を少年は聞いた気がした。


「っ、あ……」


 少年が目を醒ますと、辺りには死体しかなかった。

 絶望に塗れて息絶える六人の男達、そして満足げに目を閉じるもう動かない魔女の姿。


 たった一人の、大切な家族を失った少年。けれど、彼はもう嘆かない。


「約束、したもんな……」


 魔女と最期に交わした約束。少年が魔女を想い続けるなら、いつか彼女と再び会えるという誓い。普通に考えれば出来るはずのないことも、今の少年には果たせることだ。


「まったく、人任せに、色々詰め込んでくれやがって……」


 悪態を付く少年の頭には、彼が知りえた筈もない様々な魔導の知識があった。


 それは、魔女が最期に少年に残したもの。そして、その中には摂理に反した、死者を蘇らせる反魂の魔術に関するものもあった。多大な準備をした上に、膨大な犠牲を払って行える禁断の秘術が。


「待ってろよ、絶対に、直接文句を言ってやるから……!」


 言って、彼と彼女を繋ぐたった一つの邪法[約束]を胸に、少年は歩みを始める。


 少年は、男の一人の姿を写し取り、魔女の討伐を報告する。


 そして、男達を送り出した各国の王を操り、彼は魔女殺しの英雄となった。

 英雄となると、民の信頼を得る為に、魔獣を討伐したり、各地の問題を解決していく。


 その傍ら、各地に秘術の媒体を配置し、魔方陣を用意する。

 魔方陣や媒体の材料とするために、彼を焦がれる女や、救われたと慕う民を人知れず殺めていく。


 ――そして、十年以上の歳月が過ぎ、聖騎士として少年が語り継がれる英雄となった頃、全ての準備が整った。


「あぁ、やっと会える……!」


 聖騎士と呼ばれる英雄は、この十年以上誰にも見せたことのない歓喜の声を上げる。


 彼がいるのは、かつて彼と彼女が暮らした森の中の屋敷。


 各地に彼が配した守護の像などと呼ばれた媒体は、そこに住まう人々の生命を搾りとり、この場に眠る愛しい彼女に――禁忌の魔女と謳われた存在への贄とするだろう。


 もし、媒体がない山奥や、国々を繋ぐ街道にいた人間も、大陸全土を覆う魔方陣にその命を吸われ続け、多少の時間はかわれど、やがては同じ最期に、魔女への贄となるだろう。


「もうすぐ、もうすぐだ。この地の人間全てが死に絶えれば、ついに……!」


 目の前に横たわる亡骸、かつて魔女と呼ばれたそれは、時が経つごとに刻一刻と、その血色を良くしていく。彼女が最期に残した禁断の法、その地に住まう全ての生命を犠牲とする蘇生の秘術によって。


「嗚呼、みんな、早く死んで、彼女のもとへと集まってくれ……!」


 彼を慕ったものも、嫉んだものも、恐れたものも。


 王も、奴隷も、貴族も、平民も。

 男も、女も、老いも若きも。


 この地に生きる、全ての人々の死を彼は望む。

 それこそが彼女の復活への福音となるのだから。


 こうして、この地の人々は死に絶える。全てを引き起こしたのがその英雄だとも知らず、彼の助けを夢見たままに、その命を散らしていく。


 もし、この地で聞くことが出来れば、魔女殺しから始まった英雄譚を聞くことが出来ただろう。誰もがその事実を知らぬままに、その英雄に犠牲とされて死に絶えた地では叶うこともないことである、が。



 彼女が目を開けると、そこにはどこか見覚えのある青年が立っていた。


 彼女は思う。きっと、彼があの少年なのだろう。彼女の思惑通り、全てを果たしてくれたということなのだろう、と。


「ありがとう、君なら、きっと果たしてくれると思っていたわ」


「約束したからな! 僕は、君に会うために、あの日の約束を果たす為だけに――ぇ?」


 再び声を交わせた、また出会えたという歓喜の表情のまま青年は固まる。まったく予想もしなかった、彼女の行動によって。


「どう、して……?」


 魔女の手が、青年の胸元を貫いていたから。


 何故、どうして、何のために? 全て彼女との最期の約束どおり、全てを叶えたというのに。彼女と再びめぐり合う為に、全てを費やしたというのに。


「ごめんなさいねぇ、これも含めて、私の計画なのよ」


「なっ、えっ、嘘だ、どうして、なんで……!?」


 うろたえ戸惑う青年の様子に、魔女は寄り一層笑みを濃くする。本当に、最初から最後まで、全てが自らの思い通りとなったことに喜びを覚えて。


「それじゃあ、ありがとうね、神様?」


 言って、魔女はその手に握った心臓を――かつて自身が滅ぼされかけた相手の核たるそれを引き抜き、操られた愚かな神を絶命させる。


 ――そう、全ては彼女の思い描いたまま。


 相打ちとなりかけた神に呪法をかけて記憶を奪ったうえ、彼を己に懐かせることから。


 自らかけた瘴気の呪いを弱める調整と称してその血を飲ませ、より洗脳を強固にしたことも。そして、わざわざ彼の目の前で死をさらし、その復活に大陸全ての人々を代償にするように仕向けたことも。


 全ては、強大な力の源である人々を全て神自身に殺させた上で己のものとし、そのうえで弱った神を殺め自らの力とするための遠大な計画。


 それらは全て、今果たされた。


 もとより強大な力を持つ魔女でありながら、一つの大陸全ての命を平らげ、更には神の力をも手に入れた彼女は嫣然と微笑む。


「さぁ、これからどうしようかしら? あぁそうだ、大陸は、ここだけじゃないわよね?」


 全ての人が死に絶えた大陸から現われた魔女は、その強大な力を持って、人々を弄ぶ。その所業から、いつしか彼女は魔王と呼ばれ恐れられることとなる。


 もし、どこかで僅かに生き残る人間に、最も恐ろしいものを問うことが出来たならば、こう返ってくることだろう。


 ――魔女の魔王に決まっている、と。


 恐れや嘆き、恐怖と共に語られる筈だ、いつくるかも分からぬ災厄に怯えるように……。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


最初から「魔女の魔王」といっておりました。

タイトルに偽りはございません。


優しい魔女なんてなかったんや。。。


そんなわけで、すぐに更新できる書き溜めはこれにて終了となります。

本当は後一作あるのですが、そちらは最初期のモノのため手直しがかなり必要で。。。

なるべく近いうちに更新いたしますので、よろしければお待ちいただけると幸いです。

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