第8話 Never Goin' Back

人生にはどうしてもそれ以外ありえない瞬間がある。

一日何も仕事の無い日を過ごし、気だるい空腹とイベントを求める焦燥感を抱え、

いつものバーのカウンターで、余市のストレートをあおった。


記憶は、テープレコーダーのように、掠れた手触りと、ザラつく違和感を含み、

脳内からダダ漏れのまま、無限に再生されている。


人生の 焦燥感を 再生し 煽る余市の 掠れた味を


夕立が 堰を切った 交差点 そろりと進む 天道虫よ


斑らボケ お前は誰かと 母が問う 貴方の子ですと 喉元が鳴く

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僕らが分かり合えないという絶望を。 どろいど @kazdroid

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