第5話 続きを始めようか


πパイルート

「ただいまー」


僕は、ウキウキしながら自宅に帰ってきた。

日曜日のお昼時。

有名な牛丼チェーンの「吉村よしむら」の新サービス、4人前の牛肉だけを

パックにつめた、持ち帰り専用の”煮込み牛肉パック”。


それを買いに近所の吉村屋へ行ってきた。

「あら、買ってきたの?」と、母が言う。


「うんうん」と、僕は上機嫌で冷蔵庫から卵を4出した。


ひとりだけで、この煮込み牛肉を食べるのが、僕の至福しふくのときだ。


なので、母さんに「美味おいしそうね」と、催促しがちに言われるが、


「これは、全部おれん(おれの)だぞ?」と、食い意地いじをみせる。


そのあと母さんに、「親不孝おやふこう者!」のようなことを言われる。それでも

かまわなかった。僕は二階へあがっていく。


アツアツのうちに食べちゃおう。

ひとりだけで、この煮込み牛肉を食べるのが、僕の至福しふくのとき・・・


――だったはずだった。


ぎい・・・・


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パラレル・ストーリー 〜僕が歩いた分岐点〜 黒田真晃 @fykkgoghhlhl

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