空手家が格闘マンガで見かけるカラテ技術で、ファンタジーなモンスターたち相手に無双する話で、ときどき出てくる武術を使うモンスターがよいです。魔法と体術を併用するエルフ柔術、尻尾を使って蹴りを強化するリザードマンサバットなど。異世界でもきちんと蓄積された技術があり、異能だけでなくその技術も使ってくる、というのが、ほかの異世界転生ではあまりみかけないですがとても好きです。既に完結していますが、できればほかのモンスターの創作武術もみたかった。
空手一本押しの作品かと思いきや、読み進めていくと異世界ファンタジーとしての魅力が詰まった作品になっていて、これがおもしろい。能力バトルものの見どころって「こんなスキルでどうやってこの敵に勝つの?」な部分なわけだけど、この作品では「空手でどうやってこの敵に勝つの?」がメインの軸として読者の興味を牽引しつつ、物語は異世界ファンタジーの王道をいく、いわば「地に足の着いた空手」という感じで良い。