第12話
ここを下れば家に帰れるはずだ。
私は遊歩道へ足を踏み入れた。その途端。
――! !
熱い熱い熱い熱い熱い!
顔、腕、足。全身のいたるところを、今までに経験したことがないような強烈な熱さが貫いた。
私は慌てて引き返した。
皮膚が引き剥がされるような衝撃はなくなったが、鈍い痛みが全身に残った。
見れば腕も足も真っ赤になっている。おそらく顔も。
――?
何がどうなったのか。
私は一体どうなってしまったのだろうか。
困惑する私の前に、黒いスーツの男がいきなり現れた。
まるで何処からか瞬間移動でもしたかのようだった。
男が言った。
「太陽の光は厳禁だよ。死んでしまうからね。君はもうこちら側だ。私の眷属になったんだから」
そう言うと男は笑った。
その口の中に、二本の鋭い牙が見えた。
終
暗森の中 ツヨシ @kunkunkonkon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます