第11話

学校の外に出ると、そのまま山に入った。


登っていくと、前に太った男性がいるのが見えた。


山狩りの一員なのだろう。


私は身をかがめて、男性に見つからないように移動した。


しばらく歩くと、今度は警察官の姿が視界に入った。


私はできるだけ身を伏せ、警察官の背中を見ながらその場を後にした。


その後は誰にも会わなかった。


そのまま歩き続け、そして立ち止まった。


――ここだわ。


絶対的な確信の中待っていると、黒いスーツの青白い男が現れた。


何故だかわからないが、私に恐怖心というものは一切なかった。


男は近づいてきて、私の首にキスをした。


その瞬間、私は意識を失った。



気がつくと、私は大きな木の根元に座っていた。


私は立ち上がり、当てもなく歩き出した。


重い。頭がやけに重かった。


何も考えずに考えられずにただただ歩いていると、目の前に遊歩道が現れた。


そこだけ周りと比べて、やけに明るい。


それを見た私の意識が、ようやく正常な状態になった。

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