第10話
山を捜索した結果、未明に女の子が見つかったこと。
不審者はまだ見つかっておらず、山狩りは今日も継続して行なわれること、などなど。
いつもは一人で登校するのだが、その日は母がいっしょについてきた。
同様の子が多く、学校へ行く道すがら、知っている大人とそれ以上に知らない大人を多く見た。
中には警察官の姿もあった。
母が言うには、明日からは時間と場所を決めて集まり、保護者がついて集団で登校することになったそうだ。
学校でも朝から体育館で全校集会が開かれ、保護者なしで登下校はしないように、そして人気のないところ、特に山の中には絶対に行かないようにと強く言われた。
教室に行くと、みゆきちゃんはやっぱり休んでいた。
休み時間になった途端、一斉にみんなが私の周りに集まり、何があったのかを聞いてきた。
私が経験したことをそのまま告げると、みんなお互いの顔を見ながら震えていた。
その後はいつもどおりの日常が続き、放課後になった。
普段は思い思いに帰るのだが、保護者が来るまで教室で待つようにと言われた。
待っていると数名が名前を呼ばれて教室を出て行った。
スーパーがある方向に住んでいる子たちだ。
私は引き続き待った。
その時、私は誰かに呼ばれたような気がした。
そして、何故かその人のところへ行かなければならないと、強く思った。
私は教室を出た。
背中に向けて誰かが何かを言ったが、私の耳には届かなかった。
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