今ある文明が滅び、東京一帯が遺跡となった時代のお話。
浜辺に打ち上げられた記憶喪失の少年、ジュン。それはきっと宇宙人の仕業だと言い出す、研究者の少女ピペ。
ウン千年後の人間から見ると現在の我々の文明も謎がいっぱいで、研究が進められているようなのですが、その解釈が実に素晴らしい。まさか秋葉原があんな事になっているとは。
色々凄いことになっている歴史講座を時折交えながら話は進みます。
それだけでも十分面白いのですが、後半の展開が見事で、とある伏線が回収された時はある種の爽快感すらありました。
もちろんネタバレ回避のためここでそれを言うことは出来ませんが、気になった方はぜひ一度目を通してみてください。きっと、癒しと驚きが待っていることでしょう。
記憶をなくした少年ジュンと、彼を助けた少女ピぺ。ボーイミーツガールから始まる、クスッと笑いながらもほんわかできる物語。
序盤は古代遺跡の発掘調査がメイン。そこで見つかる遺跡は、今の僕達が住んでいる建物や文化を表している。その解釈が面白くて、ついつい笑ってページを進めてしまいます。
後半になっていくと、ジュンの記憶が少しずつ戻ってくるとともに、ジュンの過去や遺跡の謎が少しずつ明らかになっていきます。その謎解きもまた、この作品の魅力でしょう。
伏線の回収、そしてラストのハッピーエンドまで、ハートフルで読みやすい作品。ぜひ皆さんも、ほんわか気分に浸ってみてください!
東京や埼玉が海に沈んでしまった未来。
浜辺に打ち上げられた少年は、宇宙人とオカルトを信じる少女に拾われ、ハチオージ研究所の居候となる。
世界観は非常にハードSFよりながら、キャラクターや文体、物語のテンポは非常にライト。もはやラブコメと言っても良いくらい。ヒロインのピペとヤスナは主人公のジュン君を巡って火花を散らせ、飛翔船レースなどを繰り広げてくれます。
随所に散りばめられたギャグもくすりと笑わせてくれ、『カクヨム・ムー大陸』は吹き出してしまいました。あと、この世界は歪んだオタク文化を継承しており、非常に週刊少年ジャ〇プ読者に優しい世界になってるってばよ!
とまあ、非常に読みやすいラブコメチックなSFなのですが、最後の最後にアクロバティックな展開が待っています。タイトルの意味や、ヒロインのピペが、どうして宇宙人やオカルトを信じているのか、全てがしっかりと回収されていきます。
父と息子、母と娘、親と子の物語でもあり――続いていく歴史の物語でもあります。ぜひとも、眩しすぎるハッピーエンドにたどり着いてほしいと思う!!
トウキョウ遺跡!?
サイタマに海が!?
どうなっちゃったの、日本……。
あらすじからすでに面白く、一度読み始めたら最後、読者はハチオージへと引きずり込まれてしまうのです。
そこで研究されていた古代文明が、なんと『古代トウキョウ文明』!!
ハチオージやシンジュクなど、どこかで聞いたような名詞が、次から次へと出てきます。
ブラックキギョー、スカイツリー、カクヨ・ムー大陸……。思わず笑ってしまうものばかり。
個人的には、ホッカイドゥーとニク様がツボでした。
宇宙人大好きなピぺや、ジュンくんを狙うお嬢様のヤスナなど、キャラクターもキュート。
そんな魅力的なヒロインたちに気をとられて忘れがちですが、ジュンくんの失われた記憶についても注目です。
彼に語りかける謎の声や、古代の文字を読めるという設定。
それらの伏線が見事に、ラストでキレイにまとまるのです。
舞台設定が本格的なSFっぽいのに、かる~く読めてしまう。
そんな作品、他にないのではないでしょうか!?