あまりに純粋な光の聖女は、あまりに純粋な狂気の騎士を照らし出した――


ジャンヌ・ダルク。フランスをその旗で導き窮地を救った聖女。
しかし彼女は時の権力者に嫌われ、最後には敵国に捕まり魔女として火刑に処されてしまう。

燃え盛る炎と煙の中、彼女は最後まで主へ祈りを捧げていた。


――そんな光景を見ていた一人の騎士がいる。

聖女を守ると誓いながら、その足を、その剣を動かせずに立ちすくむ騎士がいる。

彼の名はジルドレ。その騎士は未だ人間であった。



この物語を一言で表すのなら『悲恋』でしょう。

それぞれがそれぞれを思い、それぞれはそれぞれに食い違う。

余りにも真っすぐに歪んだ彼らを、ダークな語り口で描いていく本作。暗い部屋でひとりページを開けば、貴方もきっと狂気に染められる。

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