ホストカードに絆を託す、その心情が切ないです。

離れ離れになってしまった恋人へ、思いをいまどきローテクな手紙で伝えようとする主人公。しかしその姿を通して悟らされるのは、スマホだろうが手紙だろうが、伝えるということの本質は同じだということ。スマホだと声も聞こえるし頻繁に連絡もとれるけど、相手がここにいないのは同じ。ただ不在の寂しさをまぎらわせているだけ。まぎらわせるのではなく、不在の時を超えて送るのだ。思いを託した一枚のポストカードを、さながら彼方の的に向けて放つ矢のように。