常に終わりが傍らにあるような張りつめた雰囲気に読んでいると息がとまります。
捕食者と被捕食者の恋愛ものというものは結構よくみる設定なのですが、殺す側と殺す側という関係は実に興味を惹きます。あやうく、果敢なく、その表れは致命的に重ならないのに、それでいて、どこか深いところで解かりあえそうなかんじが致します。
薄氷の上にたたずんでいるようなふたりの関係がこれからどうなっていくのか。是非とも最後まで、見とどけてください。殺す者と殺される者が逆転し続ける展開に息もつけず読み進め、最後にはきっと、深い深い息をつくことでしょう。こころに残る、美しい最後です。