I love me .

篠宮みや

第1話

目覚まし時計の不快なうるさい音に起こされ、今日もまた、朝が来る。何の変哲もない女子高生の一日の朝が。

姉と共同で使っている部屋の二段ベッドの一番下のほうで目を覚まし、まだ眠いから寝ようかな、と思い再度布団をかぶる。だいじょうぶ10分後には起きれば良い…


何十分か経ったのだろうか、次は携帯の着信音で起こされた。友人であり同じクラスメイトの美結からだった。メールの内容は「さやがこのメール見てたらいいんだけどさ、そろそろたなっちゃんくるよ?まだのんびり道でも歩いてるんだったら急ぎなーw」たなっちゃんとは自分の担任で遅刻に厳しいカタブツ先生のことだ。時計を見ると針はちょうど8時になるところをさしている。やばい。はね起き、急いで制服に着替えてこれからの時間配分を考える。ご飯は食べないと考えると、家から学校の教室につくまで大体走っていけば20分で足りる。それで30分に朝礼だから…よし、行ける。花の女子高生だろうが関係ない。全力で走る。とりあえずたなっちゃんにだけは怒られたくない。あの先生はたかが遅刻で昼休みにも呼び出

す。楽しい昼休みを潰されてたまるか。…


…ギリギリセーフ。滑り込みで教室の席へついた時、チャイムがなり、たなっちゃんが教室に入って来る。朝礼が終わったら起こしてくれた親切な友人のところへ行き、オーバーにメールありがとーと少し猫なで声気味に言って抱きつく。いつもと変わらない日常。そう、これでいいのだ。少し縁の厚いメガネをかけた、自分の顔を自己評価するなら下の上だと思う。こんな下の上女はキラキラした、この教室のカーストのトップにいるお化粧をして毎日学校に通っている女の子達のグループに入れない。だったら平凡に下手な真似しないように生きた方が良い。

私に抱きつかれた友人は少し困った顔をして

「もーさやったらいつもそんなんじゃーんw私がいないとダメなんだからー」とお母さん口調でわたしの頭をよしよし、というように撫でる。

「ほんとゆいちゃんにいつも私、助けてもらってばかり。あー自立しないと彼氏もできないよねー。あ、自立しても顔が顔だから彼氏なんかできないかーw」自虐ネタを言ってそれを聞いた相手が笑う。

「そんなことないよ。メガネとったさや、割と可愛いもん。」フォローを入れてくれる。

「そんなことないって。」お礼をいうが、正直、自分はどんな時でも顔の偏差値は高くないと思う。目が悪いため、自分で自分の眼鏡をとった自分をぼやけてしまうから見たことがないけれど、眼鏡かけて下の上のやつが眼鏡をとったら上級の美人に!…なんてそんな、マンガじゃあるまいし。

1限目開始のチャイムがなる。あ、やっばーいと言って皆席につく。…

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