2.女子会
食卓にツカサ、セリカ、カレン三人の合計五人が集まっていた。テーブルの上には人数分のグラスと清酒、ワインが複数本置いてあり、既に空になっているものもあった。
ツカサたちがここに住むようになって数日経過しており、カレン五人全員も一緒に住んでいた。
ジンは別のカレン二人を連れ食事に行っており、現在この家にはこの五人だけである。
「ひっく。ツカサさんー? 私に感謝してますー?」
「飲みすぎよ、セリカ。その辺にしておいたら? 明日まで残るわよ?」
「ちゃんと加減してますからだいじょーぶでーす。それより感謝してますかー?」
「何の話よ?」
「愛する男性と一緒に暮らせて、かつ毎日愛してもらえていることについてですよー。」
ツカサは顔を赤くしながら反論する。
「それは感謝はしてるけど・・・。別に、セリカだけのお陰じゃないでしょう?」
「感謝が足りなーい! ほぼほぼ私のお陰なんですよー?」
「言いすぎじゃないの?」
そこにカレンがフォローしてくる。
『確かにほぼすべて、セリカ様のお陰と言っても過言ではありません。』
「えっ? えっ?」
ツカサはセリカとカレンたちの顔を交互に見ながら
「どういうこと?」
「まず、先にぃツカサさんが、ジンさんを好きになったんですー。ジンさんを見すぎですー。バレバレですー。
でもジンさんがツカサさんをどー思っているかわからなかったのでー、カレンをカモにしてツカサさんをいろいろ想像してもらうようにぃ誘導しましたー。
そこであの忍者服が大活躍ー! ジンさんも艶があるってゆってましたしー、カレンのちょいエロの上着やスパッツを見てー、きっと頭の中でーツカサさんをいろいろ想像したに違いありませーん。」
「そんなことしてたの!?」
「そうですよー? 続けてー、カレンの協力のもとー、ツカサさんに慌ててもらってー、自分から動いてもらおうとしたんですがー、ここで予想外のことがー!!!
なんとカレンがー、本気になっちゃったのですー。」
『申し訳ありません。しかしツカサ様の好みに引きずられた感もあるのです。頻繁にツカサ様の心と同期していたので、気持ちが移ってしまいました。
ですがアレは・・・。』
『『「「アレは?」」』』
カレンはポッっと顔を赤く染め、思い出しながら感想を言う。
『天にも昇る気持ちよさでした・・・。』
「キャー! カレンが乙女してますー!!!」
「この場合、乙女じゃなく女と言うのよ。。。」
「おーなるほどー。んでー、その時ジンさんに、ツカサさんの気持ちを知ってもらいー、ジンさんをたきつけたわけですー。ですが、ここで一つ問題が!」
「なに?」
「夜這いかけてもらうにしてもー、ツカサさんの宿とジンさんの家じゃぁ、成功しません!」
『ええ、ですのでセリカ様に皆がここに住めるように身体を張ってでも許可を得よと言われ、頑張って口説き落としたのです。』
「身体張ったの?」
『いえ、ジン様はお話だけで認めてくださいました。』
「んで、あとは皆さんご存知の通り、ツカサさんが可愛くなっちゃったわけなんですがー。」
『『『(コクコク)』』』
「可愛くって・・・。」
ツカサは耳まで真っ赤にし俯く。
「と言うわけなのでー、ツカサさんはー、私に感謝しなくてはいけないのですっ!」
「わ、わかったわよ。セリカ、ありがとね。」
「ダメー!」
「どうしてよ?」
「感謝は態度で示してくださいー。じゃじゃーん! 取りい出しましたるわー、例の忍者服でございますー。これを着てくれたら感謝を感じられると思いまーす。と、言うわけで、着ろっツカサ!」
「ちょっセリカ、目が座ってるわよ・・・?」
「いーから黙って、ツカサっ着ろっ!!!」
「えっ、ちょっと本気なの?」
「よーし分かった、無理やりが良いんだなー? カレンさん、剥いちゃってください!」
『『『畏まりました。さ、ツカサ様。脱ぎ脱ぎしましょうね?』』』
セリカが押さえつけ、カレンたちが服を脱がしにかかる。
「待ちなさい、カレン! セリカも! 怒るわよ!」
『ツカサ様、良いではないですか。たかが服です。ささ。』
「ちょ、まっ、いい加減に・・・。」
『しょうがない人ですね。では力が抜けるようにして差し上げます。』
「っ!!!」
んむっ、んっ、ぴちゅっ、んくっ・・・(カレン1)
(背筋)すすす・・・、(胸)モミモミ・・・(カレン2)
(首筋)ちゅっ、ちゅっ、(耳たぶ)はむはむ(カレン3)
「ぅぁっ、ダメェ、んん・・・。」
ユリユリしたオーラが場を包む。
ツカサの力が抜けてきたので押さえつけていたセリカは手を離すが、カレンたちのされるがままとなっていた。
「ぅんむ・・・やめ、て、よぉ・・・。」
「おぉ、何か凄い物を見ている気がする・・・。これってツカサさんの趣味!?」
「ち・・・がう、んぅっ、わよぅ・・・。」
『ジン様に言われて一度シテからはツカサ様の、いえ、ツカサのお気に入りになったのよね?』
『ツカサ・・・、綺麗よ?』
『ウフフ、ツカサ、もう力が入らないわね? 同じ身体なのに中身が違うだけで、こうも反応が違うなんて・・・。』
「カレンがツカサさんを呼び捨てにしてる!?」
『イジめられてる時は良いよのね、ツカサ?』
「ぅんっ、やだぁ、こんな姿、セリカに、見られちゃうなんて・・・。」
「うぉっ、可愛すぎる・・・。私もイジめたくなってきた。ヘンな扉開いちゃいそう。」(ゴクリ。)
『ツカサ様も参加なさいますか? 一緒にツカサをイジめましょう。』
「いやいや参加はいつでもできる! とりあえず着せちゃいましょー。」
脱力しているうちに脱がせられ、忍者服を着せられてしまう。
「着替えかんせー! エロエロ忍者服ですー!!!
袖がないことに加え大きく前が開いたシースルーの上衣! もちろん下は何もつけてはいけません! そして引っ張るとすぐにほどけるピンクの帯! さらにスパッツなどと言うガード性の高いものはきっぱりと切り捨て、代わりに面積を最小限にした左右で結ぶ紐パンのみに!
忍者服とは名ばかりの、夜のアピールを目的とした、ほぼランジェリーですー!
これでジンさんも燃えること間違いなーし!!!」
「はぁはぁ・・・なんてもの着せるのよ・・・。」
『私の力作です。ジン様に気に入っていただけたら私たちにも展開しようと思っているのです。』
ちょうどその時、ジンたちが帰ってきた。
「今戻ったぞ。って、おい・・・。」
エロエロ忍者服に身を包み上気した顔のツカサを見て一瞬固まったジンだったが、
「そうか、よし、ヤルぞ!」
と言うとツカサを肩に担ぎ上げ、おしりをナゼナゼ。
「わっ、んっ! バッ、バカ、下ろしなさいよ!」
「今夜はじっくり可愛がってやろう。」
「人前で何言ってるの!?」
「はっはっはっ! カレン、あとで呼ぶからな。一緒にツカサをイジめよう。」
『『『『『はいっ、ご主人様!』』』』』
後でと言われたにもかかわらずカレンたちが付いて行ってしまったため、一人残されたセリカは、満足げに睡魔に身を任すのであった。
箱庭を視るモノ 市ノ瀬 @kazuya-i
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。箱庭を視るモノの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます