いんたーみっしょん
1.第二話7の夜の続き
セリカの部屋でカレンの実況が一時間ほど続いたころ、カレンは急に笑顔になると
『行かなくては!』
「えっ?」
部屋から飛び出していった。
その頃ツカサの部屋でこんなやり取りがあった。
「・・・本当に呼ぶの?」「あぁ。あれだけストレートに想われちゃぁ応えねぇわけにはいかねぇだろ?」「私だけじゃダメなの?」「お? 意外と独占したがりだったか?」「私の初めての時に他の女性を呼ぶなんて・・・。」「同じタイミングだったんだ、平等に扱うさ。」「もう・・・。」
そしてツカサの部屋からカレンを呼ぶ声が掛かった。ジンの声で。その声が消える前にツカサの部屋の扉が開いた。
『ジン様、いえ、ご主人様! カレン、只今参りました! 私も初めてです!!!』
「うおっ!?」
はち切れんばかりの笑顔をたたえたカレンがいた。
『平等だなんて。正妻のツカサ様の次の愛人で十分ですのに。あんなに優しく、それでいて荒々しくシテいただけるのですね!?』
両頬に手を当て腰をくねくねと動かし恥ずかしがっているようだ。
「・・・まさかカレン、見ていたの?」
『はいっ! あまりに羨ましくて、つい。ツカサ様の壮大なデレっぷりをセリカ様と共に実況いたしておりました!』
「いーやー!!!!!」
ツカサはベッドの上でシーツを頭からかぶり羞恥に悶えていた。
一人残されたセリカは、もう勝手にして、とばかりに寝ようとしたのだが・・・。
翌朝ツカサの部屋から、ツカサとカレン、遅れてジンが出てきた。
食卓でセリカがクターっとしていた。ツカサはセリカを見かけると話しかけた。
「セリカ、おはよう。ゆっ、夕べ、カレンから聞いた、じっ、実況のことは忘れて。お願い。」
「あぁ、おはよーございますー。夕べ? 実況? あぁ、そのカレンから直接話しを聞いていた分ですね。いいですよ忘れますよ。それより、あんな明け方まで三人で頑張るなんて・・・。」
「!!!! あ、貴女覗いてたの!?」
「違いますよぅ。帰した方のカレンたちが覗いてて、それを実況し続けてきたんですー。お陰で関係ない私まで殆ど寝られませんでした・・・。」
「!!!! カレンっ! まさか貴女・・・。」
『他の私が知りたがっていたので止めませんでした。ツカサ様のあんな姿やこんな姿を私の目を通し見て、他の私が興奮していました。』
「ツカサさん、デレすぎですー。あとジンさんとカレンにイジめられ放題だったじゃないですかー、ツカサさんてあーなるんですね・・・。」
と想定外の返しが来て、
「-----っ!!!!!」
頭を抱えしゃがみこむのだった。
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