家族について

学校に通っているのは

少しでも他人に自分という存在を認められたいからだ。

家に帰っても話す相手はいない。

両親は共働きで会うこと自体が少ない。

いや、それ以上に私の存在を認知していない。


元々、どうやら私は生まれてくるはずではなかったようだ。

両親は結婚するつもりはなかった。

しかし、運の悪いことに私が母のおなかにいることが判明。

お互いに体裁を気にしたらしい。

早々に籍を入れた。

お互いに両親は愛していない。仕事を愛していた。

だからか、私は両親で出かけた記憶はない。

両親は休みの日、それぞれ別のところ行く。

私は託児所に預けられる。

母は料理を作らない。どこかで売っているお弁当を食べる。

父もどこかで買ったものを食べているようだ。

私も、自分でどこかで買って帰る。


保育園や学校の行事は交代制らしい。

お弁当などはお弁当箱に買ってきたものを詰めるだけ。

他人から見て、家族に見えるように装う。


さみしい。


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