最終話 確率不明の命たち
1年、2年、3年が経った。
俺は時間があれば患者の会に顔を出したり、介護を手伝い始めた。
そしてその瞬間を、たくさんの人が消えていくところを見た。
許してもらえるなら、彼らと写真を撮った。
せめて俺の中で生きていけるように。
アルバムは何冊にもなった。
一人一人がそれぞれの生き方をした。
そして、9階病棟にやってきた。
それぞれの覚悟を決めて。
たくさんの終わりを見ても、葛西さんと森下さんの終わりはやはり忘れられない。
毎月病院に通う度、ヒマワリを見る度、夏が来る度。
届いたけれど届かなかった恋のことを思いだす。
夏は賑やかだけど、暑い。
そうもらした女の子のことを、季節が巡る度思いだす。
夏は好きだ。
しかし、今はある種のキズをうずかせる。
俺は夏が好き『だった』。
葛西さん。森下さん。
今年も、ヒマワリが良く咲いていますよ……。
あの夏のままで プトー @puttoh
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます