BL 橋の下
橋の下は僕達の秘密基地だった。
田園地帯。通学路の外れにあるこの橋の下は用水路の水が流ゞと疾り、その上にある遊びのスペースが丁度駄弁るに丁度良い大きさなのだ。
身体の小さな僕だけど、何時も大きなアッ君が庇ってくれて、僕は代わりに勉強やゲームを一緒にやっていたらいつの間にか仲良くなっていた。
「あ〜、紅葉が流れてらぁ。もうこんな季節だ」
「そうだね。今年は少し寒いし、早めに来ちゃったのかも知れないけど」
アッ君は自然に対する興味が深く、でも見た目から怖がられていた。よく見れば長い睫毛に高い鼻と、整った顔をしているのだけれどなぁ。
横顔を向けたアッ君は、ボゥと静止する。
そしてふと上の薄暗い空間を見ると、口元を緩ませて呟いた。
「お前が女だったら、襲っちゃうのにな」
「……ふぅん?そう?」
僕はアッ君に飛びかかる。手首を押さえて、頭をオモリに押し倒した。
突然の事に動揺を隠せない顔に、つい嗜虐的な表情が浮かび、僕は自分の唇をひと舐めした。
他のヒトに渡さないよ?アッ君……。
短編集 カオス饅頭 @1sa
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