第2話 夢
夢を見た。
いつもの街並みが真っ赤に染まると同時に、
闇に飲み込まれていく。
私は半ば諦めに近い形で、
泣き叫び、逃げまどい、
絶望というものを拒む人々を
ただ、傍観していた。
『どうせ何も変わらないし…
変えることもできない。』
ぼそっと本音を漏らした。
それと同時にそんな自分を
否定したかった。
もし仮に、行く先々の運命や
生まれた環境、それを選べるのなら
それは人間ではない。
普通とは違う気がしたが、
最期まで"人間らしく"いよう…
私らしくいよう、そう思った。
やはり、終わるんだ地球は。
遠くから私を呼ぶ声がする。
『陽奈ちゃん!!マイナス思考になるな!』
大地の友人の
どうして私の考えてることがわかったんだろう?
気持ち悪さを覚えたが、今は誰かがいる。
それだけで気が和らいだ。
『陽奈ちゃん大丈夫?』
『よくわからない。何が起きてるの?』
焦る私と冷静な海斗。
『陽奈ちゃん、よく聞いて。僕たちは
これから戦わなくちゃいけないんだ。』
『え?意味がわからない。とりあえず何と戦わなくちゃいけないの?』
中学生かよ…とか思ったが眼差しは真剣そのものだったので、とりあえず従うことにした。
『それは…地球と、そして後ろ向きな僕たちの気持ちとだよ。僕も詳しくは理解できていない。けれど、ヒカリと名乗る女の子が僕たちにしか対等に戦える者はいないって、そう言ってた。』
『誰よその女の子って!!知らないわよ!』
『ちょっと待ってて陽奈ちゃん。』
そう言って、海斗は胸に手を当てて
何かブツブツ言った。
すると同時に、海斗の胸元から
小さな小さな女の子がふわりと、
光の衣をまとって現れた。
でも表情はすごくかたくて怯えている。
『陽奈…助けて…』
この声に聞き覚えがあった。
地球の寿命はあと7日 なすび わかば @nasubi_wakaba25
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