花時計

 ☆これは2008年に書いた、詩(心象スケッチ)です


 宮澤賢治さんは、こういう詩を<心象スケッチ>と呼んでいます。


さて、その年の4月、仕事で多忙な日々を送っていました。


 そんなある日 同級生のBOXくんから電話がありました


「コブクロみたいなバンドやってみない?」

 という内容の電話でした。

私は、ちょうど、<星めぐりの歌宮澤賢治作詞の現代版>を コーラスで歌ってみたいと 思っていたので、8月のイーハトーブ音楽祭に向けて練習してみるか?ということで、意気投合しました。


 BOXくんは私とは高校の同級生ただし、いっしょに音楽やるとは?思ってもいませんでした。彼は高校大学と合唱部だったので、コーラス・ハモリに関しては専門家なのです。


 実はアニメの主題歌を歌う、歌手<宇宙船間ヤマトとか>にあこがれていたそうで、合唱じゃない音楽をやってみたかったんだそうです。

 水沢には、ちょうどその頃、パチンコ屋のマツヤに貸しスタジオが完成し練習環境は、整ってきたところでした。


 <HAPPY ☆ BOX>の名前は、直約すると、<幸せの箱>女の子のユニット名みたい?とよく言われますが、私の名前の幸の字と、箱崎(BOX)君の苗字を<コブクロ>みたいに、くっつけました。最近は、二人で作詞もしてるので

 作詞<HAPPY BOX>なんて書いてます。


 間に☆があるのは、<MY SOUND>時代に、よくアーチスト名につけていたのと<つのだ ☆ ひろ>みたいで いいかな?また、リスペクトする、岩手出身の大滝映一さんの最初のバンド<ハッピイ エンド>も意識しました。

 仕事が終わってから夜7時から、11時くらいまで、週1回のペースで、8月のイーハトーブ音楽祭出場に向けて、練習を続けました。


 2008年の6月、奥州市に大地震が襲いました。

 幸い 私の家は、なんともなかったので、もともと盛岡の自分の賃貸マンションに帰って、盛岡の貸しスタジオで練習する予定だったので車で盛岡に午後、向かいました。


 その途中で、前から行ってみたかった、花巻の「宮沢賢治記念館」に行こうと思いました。


 賢治さんが呼んでいるような気がしたからです。

 そこで、今まで本でしかしらなかった、賢治さんの人生について勉強してますます、賢治さんに興味を持ちました。


 私は彼と同じ、岩手大学出身。しかし、まったく無知で、今 こうして「現代の宮澤賢治を目指す」なんて言っているのが 不思議なくらいです。


 賢治記念館から、イーハトーブ館に移動して、「注文の多い料理店」や「虔十林公園」のアニメを見て、感動した私は南斜花壇を上っていくと、花時計があるところで、つまずいて、転んでしまいました。

 足から真っ赤なが流れて、痛いので、寝転がって、空を見上げながら詩を書きました。

「人間なんて、もろい生き物だなあ。今日は地震でたくさんの人が死んだのだろう。

 自分できることは、作品を書いて、メッセージを伝えることしかできないなあ」

 そう思うと、言葉があふれてきました。


###


「花時計」


かわず(蛙)が


歌奏でる月夜


道に寝転び 


星空見上げれば


北斗七つ星が 


掴めそうなほど近い


そうだ夢だって 


つかもうとすれば 


きっと つかめるはずだ


見えるものに心を揺らし


ささいな出来事に 


心をうばわれ


聞こえる音に 


心をかき乱され


つまらぬことに 


心を奪われるなら


見えないものに 


心を向けて


小さなことに 


心を配り


聞こえぬ音を 


心で聞こうとするなら


正しく生きるために 


心に宇宙が生まれるだろう



南斜花壇に 


花が咲く夏の夕暮れ

  

もう陽が落ちるから  


花時計は 時を刻まない  


つまずい転んだら 


足から 真っ赤な血が


流れたよ 


そうさ ぼくはちっぽけな人間さ


花時計は 陽が照らすときだけ時を刻む


今日は なんだか 


ゆっくり 時間が流れている


花時計は 


その時計を見る人にだけ 時を刻む


自分の中に 


花時計を感じる人だけ 時を刻む


今まで生きてきたことに 


意味があるとしたら

 

道を 求めることが 


すでに 道だとしたら


この歌を 歌うことにも 




意味があるのだろう





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詩集 「 月の雫のセレナーデ」 Mr ハッピー @renoan

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