さやかと初恋 Ⅴ
たくさん床に転がっているコードにつまずいた。
慣れない靴を履いたからか…と、流れる景色の中でおもった。
せめて顔だけはっ。ぎゅっと目をつぶった。
「……??」
あれ?痛くない…?
ゆっくり瞼を開く。
「波多・・・?」
「だ,大丈夫ですか・・・??」
目の前に波多の顔があった。
顔をゆがめさも自分のことのように聞いてくる。
ドクッドクッと心臓が早くなり,体温が上昇していく。
頭が真っ白になって,少しパニックになる。
小中高と女子校で,仕事でも40や50など年の離れた人としか接していなかった。だからこんな近くに男の人を感じることはなくて。
「・・・っ。さやかさん。え,えっと。まつげ長いですね・・・!!あれ?顔赤い・・・?」
すっと手が伸びてさやかの額に手を当てようとする。
その動きにさやかの意識が戻った。
「っちょ。だ,大丈夫です・・・から。」
ぱあぁぁっと顔を子犬のように輝かせこちらを見てきた。
だからか,
「ふふ・・・」
自然な笑みがこぼれた。
少しほおを赤く染め,波多が
「さ,さやかさん,こっちの笑顔も素敵ですね。」
なんて云ってきたからふあふあの髪の毛をわっしゃわっしゃとなでてやった。
「そんなことで絆されたりしないんだから。」
さやかと初恋。
END
僕らの初恋 波"弥☻ @ethylene
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