細やかな気づかいができる主人公なのに、自分の事となると、その繊細な性格のせいなのか悪い方へ先回りして、相手を気づかって自分の気持ちを抑えてしまう。
そんな主人公のさまに読んでる途中で何度も「そっちへいかないで」と思ってしまうもどかしさがありますが、そんな主人公だからこそ、肩入れしたくなりますし、放っておけなくなり、最後まで読むととても幸せな気持ちになれるお話です。
それと登場人物の態度や仕草が微笑ましく、ある女の子が横断歩道で主人公を無言で追い越し、自分が横断歩道を渡り切ってから、ふり返って主人公が来るのを待ってる描写や家の中で喋る訳でもないのに妙に主人公に寄り添ってくる。
他にも別の女の子が母親に髪を縛ってもらう際に、女の子が髪を引っ張られる感触を面白がって動いてしまう描写など、何気ないところに可愛らしさや微笑ましさが作品の中に散りばめられていますので、是非、皆さんも見つけてください。