第48話 恋のライバル? (18)

(本文)


 う~ん、確かにオッタルの述べる通りだよ。彼? は、たかが精霊風情だし、主神オーディンが捉えて連れてまいれと述べているのは、あくまで美の女神フレイヤなのだ。

 それにあんな調子の彼女だが、魔力? 神力? だけなら、主神オーディンとも引けを取らないのだよ。夫の小津を見ても分る通り……だからオッタルは危惧してオーディンに述べたのだが。

「オ、オッタル、お前はバカか? ヴァルキュリア達に頼んで、ちゃんと連れて帰るのら良いが。もしも抵抗するフレイヤを処分したらどうするのだ?」

 そうだ! そうなのだよ……戦女神のヴァルキュリア達の戦闘能力は、下手をすると神を滅するかも知れないのだ。

 それに先程主神オーディンが、オッタルに述べていたけれど。美の女神の玉のようなお肌に傷を入れてはならぬと命令が出ていたからね。

 まあ、そんな、訳もあるから、取り敢えずは、ヴァルキュリア達の派遣は見送ったみたいだから。


「えっ? い、言われてみたら……た、確かにそうですね……自分の考えが浅はかでした……本当にすいません、オーディンさま」

「うむ、まあ、分ればよい、分れば……取り敢えずは、先程述べた通り、フレイヤを無事に連れて帰る事に成功すれば、神への昇級も思案にいれるし、フレイヤを玩具おもちゃにすることも認めよう……」

「そ、そうですか……でも、先程も述べましたけれど。僕のこの力では……」

「ん? ああ、分っておる、分って、皆まで申すでない、他の者に聞かれると不味いから……儂が内緒でお主に力を授けよう……だから、早くこちらに来いオッタル……」

「えっ? あっ、はあ……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺を女神さまが、魔王にしちゃったよ……? かず斉入道 @kyukon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ