エリート小学生の脅威その1

 マジリが小学校裏口から脱出後 

 普段外には居ない野球部男子が駆け寄って来る一人はバットを両肩に乗せている ヘラヘラしたヤバそうな奴とグローブとボール持ったピッチャーだ 殺気のから委員会と同じ感じがする…『……アンタ達うちの生徒? ウチの野球部のユニフォームだけど…』グッと赤いランドセルの柄を掴む 取り敢えず人気の多い場所へ移動すれば手荒な事はされない筈 全力疾走でアパート街に向かうがボールを投げつけられたランドセル上部に当たり跳ね返ったボールが頭の後ろに当たるランドセルがクッションに成り球威が下がり大したダメージに成って無い…近くの民間に逃げ込む庭の隙間を通り抜ける三軒ほど抜けもうすぐアパート街だがバット男が待ち構える…ランドセルを前にし強行突破を試みるマジリピッチャー少年のボールが背中に当たる凄く痛い バット男のフルスイングがランドセルに当たる 

 バット男が打ち据えようと高くバットを掲げるもう駄目だとマジリは強く目を閉じる バットは振り下ろされない バット男が後ろを向くと業相の兄ソソグが居た『……てめぇ俺の妹になにしてくれてんだぁぁぁ!!』バット男を壁に叩き付け親指の関節を折る兄

 バットを再度掴もうとした手を踏み潰すソソグ 

 意識を失うマジリ ピッチャー少年のほうはクロダ先輩が美しい脚で締め上げ気絶させたようだ 『お兄ちゃん!!』 『マジリすまなかったな…よく逃げ出せた 酷い怪我は無いな痛いとこあったら言えよ!』マジリを抱きしめつつ身体を軽く触る…よそから視ると結構な変態行為だ……マコとクロダ先輩の目線が冷たい…マジリを車に乗せて立ち去る俺達… 小学校から離れ2つ目の交差点で信号に捕まる… クロダ先輩が頬杖付きながら『…これからまず近場の潜伏先に向かいますよ あと暫くは外に出れませからあしからず…』 スカート姿の女子小学校が車の前で躓いた… 駅近くの立体駐車場に車を入れ 雑居ビルに向かう 指示無く移動する 3分ほど歩いて活気が無い小さい雑居ビルの一階から地下を通り抜け別のビルの地下からエレベーターで移動する どうやら反政府側の拠点の一つらしい…入り口にすら見張りは居ない…3階の奥の部屋に階段で上がるとドアが開いて居た…マジリを自分の背後に回し カワムラが外に残り クロダ先輩と俺とマジリ マエゾノ先生 マコが続く 全員が身構える 窓から風が入り血の匂いが鼻を通る…部屋にはマエゾノ先生の仲間達が死んでいる…クロダ先輩が部屋に駆け込むとあとに俺達が続いた 子供用ハサミを持ったマジリのクラス委員長と知らない小学生女子が血の着いた手で待ち構えて居た… 俺の後ろのマジリが俺の腕を強く掴む強張る感じが伝わる… 『……どーしてここが判った? 』マエゾノ先生が問い掛ける… 『マジリさんのランドセルですよ…あと先程車にも着けさせて頂きました…まあ必要在りませんでしたけど…』微笑む彼女は普通の小学生女子にしか見えない…3人で8人以上を先回りし殺している…骨折や首折り 刃物傷で皆死んでいる…狭い中3人とはいえ小学生女子だが只の一般人かそれ以上の人間8人を殺している発砲した痕跡も無しに…クロダ先輩が委員長に仕掛ける! 机に飛び乗り水平蹴りを放つが委員長は両手で胸と顔を守り身体を浮かせる 蹴られた威力を利用し壁に脚をかけ肘打ちをクロダ先輩に浴びせるクロダ先輩は頭をずらし交わす ズレた眼鏡を軽く直す… 元エリート小学生と現役エリート小学生との戦いだが あまり観てられない 脱出する様に外を目指す 2人の小学生女子がこちらに向かう 訓練で実践格闘技を何度もやってたが自分より圧倒的に小さいしかも妹と同じ小学生女子拳が躊躇う…マコにマジリを預け小学生女子の攻撃をしのぐ蹴りの一撃は急所に入れられるが体重軽い分ダメージは小さい 黒いグローブのランプが赤いから青に成る 委員長とクロダの戦いは関節をキメられたクロダ先輩が壁に押し付けられている そこにもう一人が来てグローブをクロダ先輩の背中に当てると感電したのかクロダ先輩が一瞬唸って動かなく成った…俺はマコとマジリを外に出そうと叫ぶ! 『マコ!! マジリを頼む! 逃げてくれぇぇぇ!』 外に居たカワムラがマコとマジリの手を掴み連れ出すと白い煙と弾ける音か響く 催涙グレネードか? マジリを気にしながらも黒いグローブが俺の顔に迫る…    

                         

 

 

 

 意識を失い目が覚めると知らない天井と冷たい空気を感じた 先生を含め6人とも捕まった様だ 俺とマエゾノ先生 同じ部屋にはマジリとマコ カワムラ クロダ先輩が居る 二段ベッドが一つ在るだけの部屋で鉄格子も在る 強化ガラスの壁の向こうに大型テレビにニュースが流れる… 元K国の日本首都新東京での式典のニュースだ…4人のSPと少し離れた場所に数十名の武装警備担当が現内閣総理大臣とその取り巻きを守って居る中 式典招待客の家族と子供が拍手で迎える K国に新東京移転完了セレモニーだ沢山の花火と紙吹雪拍手喝采の様子が流れる 花束贈呈として小学生男子が白いラメ入りのビニールに包まれた赤いバラの花束を総理大臣に渡すよくある演出だ 一人は半ズボンに黒いジャケットと赤い蝶ネクタイに黒地に白いチェックのカッターシャツの少年だ もう一人は赤いドレスでピンクの手袋を付けた女の子だ 総理に近づき花束を渡す総理に取っては孫同然の近しい中らしいニコやかに笑う両者…花束がバラけ中から自動小銃が出る もう一人の女の子の赤いハイヒールの先端から刃物が出ている 総理SPが割って入るが総理ごとSP達が撃たれる 防弾使用の服のはずだか貫通している赤いドレスの女の子がスカートのスリットから手スティックグレネードを投げる 総理SP達の首や手首太股などがナイフで斬られる… 倒れた総理に向かって男の子が再度発砲する会場内に居た警官や武装護衛官が銃を構えるが近くの子供達が彼らを襲う 特殊な煙幕が撒かれ 日本軍の装甲車が人を跳ね飛ばしながら総理殺害犯の少年と赤いドレスの少女を装甲車に拾う 備え付けの機関砲が逃げ惑う群集に向け発砲される 自衛軍側は装甲車や式典使用の戦車等に乗り込むが細工がされているのか内部から炎上し どれがまともに使えるか判らず対処が遅れる… 下手に発砲出来ない中エリート小学生部隊が容赦無い殺戮を始める… 

 クーデター報道が何時間も流れる 何も出来なかった自分達…ヒュプノ管理施設がエリート小学生によって制圧された報道も流れた…元K国内の2つの施設と日本本土の最重要施設が乗っ取られたのだ 

  俺とマジリ マコ クロダ先輩 マエゾノ先生が拘束されて居る…見せつける様にテレビが流される…人数が少ないはずのエリート小学生部隊が止められない どこの誰が仕込んだか知れないが戦車やヘリすら扱える小学生部隊 本職自衛軍の兵士達が圧倒されている ビヤッコウスーツや他の最新鋭装備がウィルスかなにかで無力化されている…エリート小学生用の教科スーツが投入され殆ど生身と旧世代の装備の自衛軍が一方的に狩られている…ここ制圧K国内や日本本土でも小学生部隊が破壊と殺戮を定期的に行っている…

 マエゾノ先生が何時間かおきに尋問されて来る殴られたりしているようだが命までは取ろうとしない…捕まって丸2日はたった… マエゾノが痛め付けられ還って来る度クロダ先輩の先生への執着が少し怖い…鉄格子付きの強化ガラス材の扉に向かって頭を打ちつけたり罵声を吐いたり怒りで体温を上げ辺りを殴り散らす手も額も唇もボロボロだ…閉じ込められてはいるが敵は10人と居ない体力を奪うためか殆ど水分も食事も貰えて無いなるべく動かずチャンスに備える  小学校指定の給食袋だろうか…赤く染まっている 大変嫌な予感がする ドスっと降ろされた袋の中身は野球部ピッチャーとバット男の首だった 俺達を逃がした責任で殺されたらしい…持ち込まれたのか学校机が乱雑に積まれた部屋だ机の上に座る一際偉そうな小学生の男子が居た…白のランニングに小学生用の迷彩服のズボンを履いている 髪は坊主だが肌が白い割とにかなり筋肉質だ

 血のついたサバイバルナイフを持って俺達に話かける…『……エリート小学生は現役の者でもたったの158人なんだ…そもそも少ないだから思想変換マシーンや投薬強化とか色々やって使えそうな奴らを殖やしたんだ中には俺達の親や兄弟の協力もあった総人数僕だって判らないくらいさ…一応この部隊のリーダーをやってる クラマ アサクラ マサシ 本名の間の3文字から付いたあだ名だよ…』へらっと笑いながらその少年は喋る…『中学生や大学生の元エリート小学生達の中からも協力者が居てね整備班の連中は本当 助かってる…式典会場の僕たちの車両以外に上手く細工がいってたみたいであんなに上手くいくとは思わなかったよ…どうだい凄いだろ!?』蔓延の笑みと立ち上がった姿勢をとり声高らかに少年が吠える 『日本も世界も全部壊してやるんだ!! 僕らの手でねぇ!!……興奮するよ……もうやっちやったんだから……まずはこんな僕らにした奴らと政府をボコボコにしてやるんだ……それから……』 ぐっとクラマの肩を掴むパーカー姿の少女 血まみれの黄色いパーカーの少女がフードを下ろす…マジリのクラス委員長のタナカ マツリだ 『……喋り過ぎよ…』 むっとした表情でクラマが言い返す『……どうせコイツらここで終わりでしょ? どーするか指示来ないし…ずっと誰かに喋りたかったんだよ!! 』不安定なのか些細な事でヒステリーを起こす本当危ないヤツに見えてきた…『…ゴメンねマツリちゃん…お友達に成りたかったのは本当なのよ…』ビビるマジリや俺達に悲しそうな表情で話すマツリ… ガラス越しに手を添えるマツリ血まみれの委員長手を合わせられないマジリ… 寂しそうな表情で下がるマツリ 『……またね…マジリちゃん…』シャワーを浴びて来るわ返り血で気持ち悪いから…』 『マツリは強いよ…近くの警察署を制圧したんだよ何人殺したか判んないくらいにね!!』 『僕なんかよりかなり多くの人間殺してるだんよー 多分1000人くらい? 凄いよねー小さい頃から始末屋みたいな人生って羨ましいくらいなのにさ…裏の世界の殺し屋の家系なんだって!兄弟 親戚みんな人殺しなんだよ…』 堪らない感覚なのか机の上でジタバタと身悶えする 『……』沈黙し耐えるしか無いリアクションをすればコイツが喜ぶだけだ… 

 更に1日経って翌朝のニュースが流れる

 制圧されたヒュプノ管理施設に戦闘機による爆撃が行われるニュースが流れる近くに居たテレビ局の報道クルーが撤退行動に移る 中継ワゴンにいそいそと人が乗り込む カメラが揺れながら迫る戦闘機を映す 戦闘機に向かって音の波動が放たれると戦闘機がビルの間に錐揉みしながら墜落する空中にヒュプノ兵器を使ったようだ…2機の戦闘機とパイロット4名が失われた テレビ局の報道班から奪ったのかエリート小学生のリポーターとカメラマンが中継に割り込むと中継とスピーカー放送で宣言がなされる…『…施設の制圧とヒュプノ管理コードと施設は頂きました…僕らエリート小学生の勝ちです…施設への攻撃行為はもう止めて頂きましょうか…次の攻撃行為が有れば可能な限り広域でヒュプノを照射します… 特に要求とかは有りません最大目標は達成しました…総理殺害とヒュプノ管理施設の制圧…これから考えます少し時間下さい…あっ僕は一応首謀者の一人です面白半分でここまで来ました そうですね…出前でも頼みましょうか…ピザとかカツ丼とか捕虜の片達の分も含めて二千食分くらいですかね…』 

 

 政府側の自衛軍の抵抗は撤退へ移行し防衛線を後退した…マシンスーツでの戦闘にはバッテリーを大量消費するエリート小学生側も一定規模以上の広域進軍はしなかった…ヒュプノ管理施設の占拠と発射コードを奪われた自衛軍は抵抗力を完全に無くしたトラック数台分の食料と物質が運び込まれる… 

 俺達にも食料が分けられたが相変わらず監禁されたままだ…  

 自衛軍駐屯地で敗走した自衛隊員と学徒兵達 タナベ姉弟が部隊長の元で話す ソソグ達が拉致された件と反政府側の総意を伝える為と救出隊の編成を求めて 

 『…完熟訓練が必要な兵器運用での攻略戦は不可能 大人は役に立たねぇ…』

『直接侵入し施設を破壊マシンスーツの大半がシステム掌握され使えないオフライン起動の試作タイプを使わなきゃならねぇ…最短で使えるコイツにはソソグのデータが入ってる頼む! ソソグを救出してくれ! あのクソ餓鬼どもを停めないと…二十日鼠並みの寿命の人類に未来なんてねえぞ!!』 『未登録のマシンスーツは16着しかない…クソ餓鬼どものマシンスーツは恐らく80着以上は在る…戦闘に成ったら逃げろ! 向こうの方が基本スペックは上だ 三体以上に囲まれると死ぬぞ!』『ヒュプノ散布下での戦闘となる為学徒兵のみでの戦闘に成る…生身で勝てない相手とマシンスーツの数で負ける現状…』

 『はっきり云って死にに行くようなもんだ! 反政府側の切り札は全てのオンラインマシンスーツや車両兵器の破壊が可能な電磁波兵器とウィルスプログラム……コイツはテストしていない…完全版とはいえない何人ものプログラマーが作った継ぎ接ぎもんだ…電磁波兵器はネット流出した設計図と素材リストで作った』

 『どっちにしろ今あのガキ共止めなきゃ日本人は世界の恥曝しだ…』 

 『……何もしないよりはいいか…』ホサキ テツオ

 報告と召集に従いソソグのクラスメートと残存自衛軍兵生き残りの学徒兵部隊の隊長各が集められた 

 自衛軍はエリート小学生部隊相手に敗走し潜伏最新鋭無力化されている 旧式のオフライン兵器と兵士自らの身体のみが現行戦力だ… 『オフライン端末のマシンスーツの再整備のめどすら経っていない現状…ヒュプノのおかげで偵察や爆撃すらままならない…こちらが出来るのは陽動し敵戦力の分散くらいか…整備兵の大半が殺され車両整備もろくに出来ない…エリート側に協力している者も多い…』 『……戦局は不利だ総力戦を仕掛けてもまず勝てないだろう…そして日本は世界の恥曝しと成り世界からヒュプノの効果で大人は死に絶えてしまう唯一数の面ではまだ我々に部が有るがかなりの死者を出すだろうがやり遂げねば成らない 』

 

 K国内に配備されたオニムカデのうち3両が乗っ取られ4両破壊された最低でも1両の奪還と砲撃が急務だ

 

 監禁され定期尋問が続く…テレビだけで時間が判る

 俺とマジリの2人だけか監禁房から出された 両手を手前で施錠され有る部屋に連れ込まれた…また白い給食袋から赤い液体が垂れている嫌な予感がする

 『あんまり非協力的だからさ…少し痛い目見て貰おうか… 』 『誰の首だと思う? 』 『君達にとってとても大事な人のだよ…』

 ニヤニヤしながら喋る…軍人より人殺しのようなガキだ

 『僕一人で狩ったんだよ護衛の警官3人とかも超簡単だったなぁ 部屋の隅で小さくなって2人して抱き合って泣いてたよ…』 袋を持ち上げひっくり返すとごろんと転がる頭の毛の色や見た目ですぐに解った 

 背筋から寒気が広がる… 

 『おかあさん!! 婆ちゃん!!』マジリが叫ぶ 

 直ぐに立ち上がろうとするマジリを押さえつけて止める 『……やってくれたな 2人は只の民間人だぞ!反政府活動家でも 学徒兵でも無い! …よくも俺の母さんと婆ちゃんを殺しやがったなぁ!!』ナイフを持った少年に対してこらえつつも殺意が高まる号泣するマジリの身体が小刻みに揺れる… 冷えた身体の奥から血が熱く変化する冷えていた手が汗ばみ指先まで熱くなる怒りか闘争心かやけっぱちか身体を動かすと多分倒れるで在ろうが少しは暴れられそうだしかしこのままではマジリも俺も殺されるだろう… ナイフ少年と俺達の部屋に駆け込んで来た子供が叫ぶ 『自衛軍が反撃して来た!』

通路や通信 テレビ報道も事態の変化に戸惑う 残存する2機のオニムカデがエリート小学生に乗っ取られた3機破壊と奪還戦を仕掛けたらしい  拘束部屋に戻らされた直後 マジリにはきつかっただろう部屋に入るなり再度泣き出した… 30分程たった遠い距離で爆音や射撃音が聞こえる時々振動で天井板や埃が落ちる 

 

 エリート小学生達が慌ただしく動き回り部屋には2人のみ残された…ずっと温存していた体力と気力を高める 身体ほぐしてチャンスに準備する俺達 

 発砲音が近くなった 駆け込む影が何者なのか全員が身構える 上官に連れられたらタナベシュウジと俺の部隊仲間達と生徒会長だ 施錠された割りという分厚い扉をマシンアームで壊す 俺達はなるべく離れた場所に布団を盾に身構える ドアが外され放り捨てられる 『ソソグ マジリちゃん無事か!?』 『シュウジ!! 生徒会長!! 皆! 』俺達は安堵する 立ち上がり差し出された軍用色とビタミン水を受け取る 軽い食事を戦場で済ませる 血の通った戦場だただし日本人同時の大人と子供のそうゆう戦いが今から始まる…

 

 

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学徒動員!! 静か過ぎる戦場 ぐーぱん @NANARETU5316

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