マシーンスーツと無垢なるケモノ

倫理的ためらいが学徒兵達にあることを考慮し相手を眠らせる兵装と気絶させるスタン兵装が主に配備された

 対ドローン兵器兵装も装備されたスーツの通常稼働時間は4時間ほどだバッテリー交換が可能でスーツに備え付けで2本腰後ろのロックホルダーに入っている緊急時にはバッテリーやライフルが投下されるそうだ……スタンナイフと麻酔銃 スタングレーネードチップと対戦車ライフルと超振動ブレード一本と左手のグローブの圧縮炸薬拳甲を装備させて貰った壁やバイク位ならぶっ飛ばせる上に打ち込んだ側への反動吸収もしてくれる兵装だK国外遠の街に俺達は配備された…ヒュプノ展開中のため自衛軍の上官達はほぼ戦闘に参加出来ない……俺達学徒兵達だけで子供兵団と闘うしか無いのだ……C国語はさっぱり解らないかスーツの音声変換機能と翻訳複写発声機能がある……なるべく殺さず無力化出来ればいいと命令を受けている訓練では何度もやった対人戦しかも俺達と同じ子供との闘いだ 

 子供用軍服があまり用意出来て無いのか普通の服やジャージ姿の子供達が遠隔自動運転のトラックから次々に雄叫びを上げながら迫って来るC国で怒鳴りながら銃を捨て投降しろ君達を傷付けるつもりは無いとスピーカーや拡声器で流すが効果が無い……まるで恐怖支配で洗脳された用だがただ銃を持って走りこんでくるだけだ明らかに数の減ったドローン兵器が子供達の後を追うように向かって来る……俺は仲間達と共にC国子供兵団を無力化を開始する子供達に銃で発砲されるがこちらの防御兵装は優秀でただ弾丸が落ちるだけだ訓練の浅い子供7歳位の男の子が自動小銃を俺に向けるが仲間ごと撃っている錯乱しているようだ俺は素速く動きスーツのパワーで小銃を握り潰し少年に右グローブの指先から直接麻酔薬を首に打ち込む スタンナイフやスタングレーネードチップで次々に少年兵団を気絶もしくは眠らせる

 救護兵や装甲トラックに子供達が積み込まれる……憎たらしいドローン昆虫兵器の相手には2人から5人であたったやはりクワガタクモメカと小型ハチノスドローンが厄介だったが超振動ブレードを構えて近づいただけでハチドローンは自然に斬られるオート認識機能と微弱帯電でハチドローンを破壊していたドローン昆虫と陸戦歩兵以外の戦力を失ったC国……確認された大陸間ミサイル発射施設の大半は《オニムカデ》の砲撃で破壊済みだ……

 

 

 初日は子供37人とドローン昆虫兵器13体を無力化した

 大敗したC国は翌々日に再度侵攻して来た……こちらが子供兵団に対して無力化行動に出て来るのを見越して非人道戦略である子供兵団や在住や捕縛した日本人に爆弾らしきモノを埋め込んだり巻いたりした人間爆弾の手段を取ってきたこちらはそれを撮影しネット上に晒した……

 各国や人権団体からの非難のマトと成ったがC国は地方軍が勝手にやった事と日本軍侵攻を防ぐためと言い訳を続けていた国際社会地位も失ったC国

 子供兵団による自爆被害もあり無力化行動から無条件射殺に命令が変わった…回収したドローンムカデやハチドローンがC国子供兵団に放たれた…日を追うごとに兵士では無く只の子供達が泣いて向かってくるだけだ…防衛ラインが組まれ砲撃 迫撃 落とし穴 ドローン昆虫フェエンスライン 自衛軍スナイプ部隊 そして俺達だ…ドローン昆虫とスナイプ発砲音までで子供達は来ない…射殺命令は出ているが学徒兵達は一度も発砲していない 初日からの子供兵団側の死者は3万人を超えたそうだ…

 

 

  《オニムカデ》の主砲の弾頭が拡散スピーカー砲弾に変更され数発C国に向かって発射された中央から南側の範囲に撃ち込まれた…空中で四散し小型メカをバラ撒くコンクリートに返し刃が刺さり人力ではまず抜けない 

 迫撃弾頭も混ぜて撃たれたため区別出来ない…

C国軍や警察は全力を挙げ小型スピーカーを破壊接収を試みるが70%の回収がいいとこだ

 毎日違う場所に拡散スピーカー弾頭はバラ撒かれた 迫撃砲弾やガス砲弾も一日中バラ撒かれた

 一週間も続けていれば回収作業員は疲弊し激減していった降伏勧告はおこなわれずC国からK国への亡命者の受け入れなどデマが流れ国境付近には人集りが出来ていた 回収され改造されたドローン昆虫兵器が国境警備に導入された… 分離させた《オニムカデ》はゲートの様な形状をとり民衆達を遮った主砲車両以外は汎用性の高い要塞防衛モードがある列車両名を真上2つに分け回転キャタピラで広げていく更に連結素材や車両を重ね大きなゲートとなり道路や橋を塞いでいった 完全に軍事抵抗力を失ったC国 徹底交戦を国内放送で流すC国 翌日軍事中枢への砲撃と首都へのヒュプノが使用された…

 K国へのC国侵攻は無くなり 放置された国境近くには誰も住めない無人都市と成った… 

 広大な土地とC国の地下資源を遠慮無く武力で勝ち取った日本軍… 

 

 第6次移民船団が日本からK国に到着するこれで日本国内に残る日本人は32%以下に成った 国際社会での非難は在るがヒュプノや《オニムカデ》が怖くどの国も強く言えない 日本が海外進行して2年と21日が経過した…

 C国内に《オニムカデ》3機を侵攻させ各国に拡張スピーカーを散布 国際放送で日本やK国に核攻撃等を行った国にはヒュプノを全面使用し大人を殲滅すると警告をした核兵器と同等の大量殺戮兵器を所有した日本国

 軍事作戦上での学徒兵達はこの頃には長期休暇を貰っていた俺も妹や家族と学校での生活を元K国で送っていた K国は日本人ばかりが生活している 学校帰りに友達とハンバーガー屋に寄り夕方過ぎにマンションの自宅へ帰宅したら玄関で涙目の妹がギュッと強く抱きついて来た…父親と母がもめているようだ… 妹の後ろにかくまいながら応接間での父と母の会話を聴くと『……あなたどういうつもりですか! 今軍に楯突くような真似をすれば職を失うどころが家族も危険な目に合うんですよ!』 頭を抱えソファーに座り込んだ父が珍しくヒステリーに成る母親と言い争っていた 『軍は日本沈没の真相を隠していたこれは国際社会への裏切りだ……私は黙っては見過ごせない…先日同様の講義を国に提示したナグモ博士夫婦は拘束された同じ資料とデータを持った私はどちらにせよ拘束されるだろう…』 父が俺の帰宅に気づくと小さなSDカードを俺に無言で渡す

 夕飯前に部屋に入りベッドで横に成るがSDカードを眺める…(再生すれば俺や家族が危ない…多分部屋は盗聴盗撮され監視されている…俺はSDカードを軍に供出する事にした一度も再生せずに……これが一番正しい判断だと信じて…)翌日軍の訓練施設で隊長室に向かい事の経緯を説明しSDカードを隊長に渡した 

 訓練を終え帰宅すると父の部屋からダンボール箱が軍職員の手で運び出せれていた 妹と母は応接間の隅で立ち尽くす妹と母は座り込んで泣いていた 軍職員から俺は報告を受けた…『……シンゲツ ソソグ殿 本日 イチヨンマルマル時にシンゲツ サグル氏を拘束した事を伝える情報漏洩と国家反逆罪の可能性が在るためである後日 貴官への出頭要請もあると思うが協力願いたい…訓練ご苦労である…こちらも家族を拘束するような真似はしない…容疑が在るのは父親のみだ安心して欲しい…』 父親にスパイ容疑か…一気に立場が悪く成った気がする…背筋が冷える感じと胃に強いプレッシャーを感じる…俺はSDカードを軍部に提出しただけだが…第一父の仕事は地質研究のはずだ 軍の機密など関係無いはず… 妹の強く抱きしめたぬいぐるみが妹の体温と手汗で温まっていた妹の頭を撫でながら妹のそばに寄り添うと妹がクチパクで伝えて来た(まだあるよ…お父さんのSDカード マシューちゃんの首輪の内側…)マシューちゃんは妹のいつも抱えている三毛猫の抱き枕タイプの軽いぬいぐるみだ オフライン設定にしたスマホにSDカードを差し込み データを開いて見る…判った範囲の者で知ってる人物の名前と日本沈没の要因が人意的なモノである事とA国の企業名と3Dデータでのシュミレーシュンの動画もあった… 個人では不可能な日本大陸沈没も科学と質量のもとでは破壊可能なのだ…これから推測出来る事は日本はA国の協力のもと自作自演で日本沈没を演出沈める事を軍部と内閣で秘密裏に計画実行したのだ国際世論に晒されると日本は社会的地位を失う…

  しかしまだ日本沈没は実行されていないのだ…取り敢えずリストにあった旧知の中の人物と接触してみるか? 準備をしていると妹がフル装備で俺の部屋の前にやる気に満ちて立っている…『………』ノータッチで俺は装備と逃亡生活の準備を進める…『……にい・ちゃ・ん!……にーちゃん!! ……連れてってあたし割と優秀だから訓練成績にーちゃんより上だからね』 『……』『にーちゃん……お願い…おとーちゃん捕まって殺されちゃうかも知れないんだよ?』

『……父さんの件とは別だ…助けに行っても脱出出来ない捕まって家族ごと殺されるのがオチだお前まで危険な目に合わせたら母さんや婆ちゃんに悪いだろ? 今は知ってる人に接触して情報の真意を計る……』『……にーちゃん独りでしょ? 友達巻き込めないんでしょ?』『……人を殺すかも知れないんだぞ!!

 捕まったら家族バラバラにされ良くて監獄行きだ…無力化されて殺される可能性だって有る…』 『絶対ついてく!!! ……にーちゃんまで居なくなるくらいなら…』 母さんと婆ちゃんとマジリを残して俺独りで行動するよりもマジリだけ連れて行くのか? 4人で行動すると素人同然の母と婆ちゃん…小学生とはいえ訓練を受けたマジリ…マジリ独りで母さんと婆ちゃんは守れない…妹を連れて行く方が俺や家族の生存率が上がる気がする…既に母さん達とは考え方が違う…考えに耽っていると『……にーちゃん…ソソグにーちゃん!!』 妹が問う 

ビャッコウスーツ…は置いて行こう…オンラインシステムや追跡装置など緊急セキュリティーが高いので万一無力化されたら妹すら守れなく成る 基本装備とライフルとハンドガン ナイフとロープ オフライン端末…スタンナイフとスタンガン 懐中電灯 携帯食糧 シリアルチョコ味 衣服や下着も数日分積める 時刻はよるの11時43分 妹と二人で家を出て夜中な人に会いに行く…歩いて行ける範囲に要る タナベシュウジに会いに行くタナベは小学生の頃2つ上の天才ゲーマーだったよく遊んで貰ったしゲームの攻略や手伝いもしてもらった口は少し悪いが割と面倒見のいい奴だったジャンクフード好きでお菓子を一杯リュックに詰めてたメガネとゲームのキャラの帽子を被ってた男だ 今は引きこもりらしい 学校にも通って居ないはずだ… そういやあいつ俺の妹にテンション挙がってた気がする… そっと手を繋いだ妹の顔を見る…何かされる事は無いだろう……恐らく多分……いや絶対… 奴の家に着いた 一階も二階も電気が点いてるインターホンを鳴らすとパジャマ姿の奴の姉 タナベトカコがタオルで頭を拭きながら現れた…オタ姉弟として有名たが姉は美人で彼氏持ちらしいシュウジとは今でもメル友だ週に何度かメールしてる… ただ今日の事はまだ教えて無い 『……お久しぶり振りです…トカコさん……シュウジ君居ますか? ちょっと話がありまして…』やはり美人だ…緊張する…

 玄関先で夜中に訪ねて来る学徒兵士…不審者扱いも同然だが… じっと見られるが切羽詰まった感じを察し 『……シュウジ!!!! ちょっと!! あんた訪ねて ソークン来てくれたよカッコよく成ってるよ!好みだよ!!ストライクだよ!!』興奮し鼻息が荒い風呂上がりの若い女性…少し酒臭いが…バンバン背中を叩かれる…玄関から中へ引っ張り込まれるその時柔らかい胸がぎゅっと当たる… 『……連れの娘…誰? いーから入って来なよ…』妹とは初対面のトカコ姉さん 妹の手を引き連れ込む 妹のマジリが若い女にたじろぐ兄を観て頬を膨らませる… 『にーちゃんも所詮は雄なんだね…』ボソッと俺にもらした… 応接室で待たされる…トカコ姉さんが二階居るシュウジの部屋へ上がってくれた…

 妹と対峙する応接間の空気が重い…二階に上がったトカコ姉さんが降りて来きて『……上がっていいってシュウジがさ…  二階の突き当たりのドクロの部屋があいつの部屋だから…』 妹と二人で上がる シュウジの居る部屋の前まで来た…ドアノブに手をかけると既に開いていた何年か振りにシュウジの声を聴く『……ソソグか…軍人に成っただったな確か強制的に…パソコンに向かうキータッチ音がカチャカチャと鳴るモニターが5つでかいハードディスクのパソコンが何台も見える部屋の壁一面パソコンと机と寝床の万年布団が在るだけだ…回転椅子を回しデブいメタボなダメ人間が無精ひげ生やしてこちらを振り向く 俺とマジリが部屋に入り適当に座るが妹は俺の後ろだ…『……久しぶり振りだなシュウジ兄ちゃん…俺の親父…シンゲツ サグルが昨日捕まった…原因はSDカードだ一枚は俺が預かり軍に渡した…

 家を探られ親父の部屋のパソコンやら資料やらを持っていかれた…もう一枚は妹に預けられてた家のオフラインパソコンで見たらエラい内容でリストにお前とトカコ姉さんの名前があった…だからお前の所に来たんだ…俺独りじゃ家族も妹も守れない…助けが欲しい…』 シュウジは呆れた顔をするが…『……解ったよ…ソソグの親父さんとはある裏組織で共に活動していた仲だったしな…まず言っておくあのデータはマジだ…』 『?!』

 『……なにがだ? 』理解出来ない俺を察してシュウジが説明する『……あのデータは日本沈没をでっち上げた企業とそれを知った人間とハッカー達と口は封じすべき人間のリストとかヤバい代物だ… いいか? データに入ってるのはK国に来た奴分のリストだ…深海調査艇の試作機を改修して撮影するはずだか上手くいってるか不明最も画像だけでは信用されない リストの拡散はこちらも想定済みだし半分以上のメンバーは無関係者が混じってる 監視カメラのネットワーク網はこちらも押さえてあるから武力行使はして来ないだろうがな…

 事実を公開するタイミングと人物で社会やマスコミの信用や情報の扱いは変わる…後こちらのデータも観てくれ…お前達学徒兵の訓練は短期間だったが4歳から今まで訓練された子供エリート部隊が実在する何人かは小学校に紛れ込まされてる…戦闘力や武器の扱いも人の殺し方も叩き込まれた殺人マシーンだ! 人道外にもほどがあるだろ?』動画には捕虜に成った敵国軍人がナイフ持った小学生軍人に格闘術で負け右手の骨を折られ頭を引っ張られナイフで喉を斬られる動画の後 捕虜子供達の檻に火炎放射器を放つ違う小学生…手を挙げ命乞いをする子供や女老人達を拳銃で一方的頭を撃ち抜く小学生…日本に慈悲無しなキツい動画だ…マジリの顔が青ざめる…『……ウチのクラスの委員長が抵抗力の無い人間殺してる……』黒髪の下ツインテールのおでこが大きい可愛い女の子が人を殺してる…『……知り合いか?』涙目の妹が震えながら頷く…『マッチー…タナカ マツリちゃんこっち来てからの学校でクラス委員長…運動は成績はそこそこ明るい面倒見のいいヒト…だよ…』

 『……何人位こんなのが居るんだ? 』シュウジに問う 『…予め容易された子供達は47人…全員 孤児や政府重役関係者の子供さ…人生丸ごと親や国の都合に利用された奴らさ…いつから開始されていて今の人数は不明だ』

  マジリのクラス委員長がエリート殺人マシーンの一人…

 『シュウジ!! …二人にあれ渡しな…』トカコ姉さんがシュウジを急かす…小さな携帯電話と缶バッジにしか見えないモノを俺に渡す…『トランシーバーみたいなモノだ 鞄や帽子に着けろよソーラー充電で通話出来るが受信のみだ通常にはFM発信機がいるがな携帯の方は機能は落ちるが軍に傍受されないサーバーリンク済みの電話だが迂闊によそにかけるなよこちら同時は傍受されないが既に傍受サーバーにリンクしていた場合録音傍受されてしまうからよ…』 俺は妹を連れ一旦家に帰る事にした帰り道『……妹にエリート殺人マシーンにお前のクラス委員長が成ってる事下手に身構えるなよ…こちらにきずかれてはお前の身が危ない…友達と一緒に成っても挑むなもし感ずかれたら闘わず逃げろ全力でいいな?…』

 妹の肩を強く掴み真剣な目で話す… 『……上手くやってみるよ……お兄ちゃん……』 

 帰宅した俺達はそれぞれの部屋で取り敢えず眠った婆ちゃんや母さんとは会話していない…

 翌日部屋から出て来ない祖母と母声もかけずにマジリと二人朝食を終え学校へ向かう…通信手段はいつもの支給品の携帯にした…迂闊に使うと取り上げられる可能性が在るからだ…妹と手を繋いで小学校まで連れて行いく…少し汗ばむ掌 そっと手を離し お互いに目を併せる…多分大丈夫…だよな…騒ぐ心臓を抑え俺も学校へ向かう… クラスの席に着くと普段との違いを同級生に諭される… 

 妹の教室   賑わい溢れる朝会話飛び交うマジリは自分の席に黙って着く昨日のテレビの番組の話や新しく配信されたゲームの話や漫画雑誌やファッション アイドルのゴシップ記事の話など日本に居た頃となんら変わらないホールルーム前のいつもの会話がする どうしても委員長の事が気になる…切り替えが上手く出来ない

 クラスメートのカドクラがマジリに話かける 『昨日の西のお笑い学園観た?』小学生に人気のバラエティー番組でボケとツッコミと派手な屋外ロケで爆破や殺傷力の低い偽装武装などで脅かしたりする芸人同士やゲストアイドルなどを酷い目に合わす番組だ 妹も好きでよく見ていたが昨日の悶着でテレビどころでは無かったのだ 『……』 『どうしたの?』『……昨日お兄ちゃんと喧嘩して部屋でふて寝してて観なかったんだ…』

 『ナカガワくんがゲストで超面白かったんだよ!』 ナカガワくんはアイドルグループ MURAMASAの一人で凄く人気の在るマルチタレントだ俳優業も歌手活動もダンスも上手く愛嬌も良い フルネームもナカガワ ショウタ ナカショーやショウタの愛称でも呼ばれている 芸人すら遠慮する体を張った対決や粘液まみれにすら笑顔で挑む勝負心の強い負けず嫌いのタレントだ

 午前の授業が終わり給食の時間も済ませ 午後1の掃除の時間と成った マジリがほうき掃きをしてゴミを集める塵取りを持った委員長がすっとしゃがむ  一瞬の油断にマジリは固まる…『……さんどうかしたの? 調子悪そうだけど…』 マジリが誤魔化すが声が微睡む 『べ…別にちょっと考え事してただけだよ委員長…』

 委員長の威嚇か凄い気の籠もった目がマジリを襲う 殺意と冷たさが心臓まで突き刺さる気分だ…委員長が動くまで全く動けないマジリ…午後の授業中はマジリに取とって地獄となった…即教室から出て帰りたい気持ちでいっぱいだった

 学校が終わり一人下校するマジリ…委員長と他のクラスメート数人が校門に居る 下駄箱で靴を取り移動し適当な窓から外に出る 塀をよじ登り学校を出る 何かおかしい…不安と寒気がマジリを包む 人混みの多いルートと最短距離でお兄ちゃんの学校まで行ける道のりを進むマジリ 

 

 

 

 ずっとマジリのクラスメートの事が気になるソソグ 

 元々軍人職では無い一部に相談する事にした まずはクラス委員長のホサキ テツオ 小学校からの幼なじみのシムラ マコ 口は固い姉御肌の カワムラ リシリ 妹と同じ小学校に弟と妹が居る万年坊主のイチムラ ソウジ サトナカ キュウマ テンビンザカ アビル に相談する事にした… まずはイチムラとサトナカに話てみる 『……助けて欲しい……妹が危ないんだ……取り敢えずこの動画を観てくれ…』 小学生エリート兵がマシーンのような冷徹な目と表情で兵士を殺す動画だ

 二人共偽動画やドッキリのリアクションをして信じてくれない…俺はグッと二人の服の肩を掴み可能な限り真面目で全力で訴えた『……この真ん中の女が俺の妹のクラス委員長をやってる…学校を休ませると怪しまれるから行かせた 一昨日俺の親父か軍に拘束された…俺だって迷ってるが妹にも危険が迫ってるお前達の兄弟も危ないかも知れないんだ! 真面目に聞いてくれ!』 

 『……一体どうしたいんだ? クーデターでもやろっうてのか? ちっ…朝っぱらから胸くそ悪く成る動画見せやがって…』 『……どうにせよ俺達だけではどうにも成らんだろ? 上官や教師に相談か? 軍用訓練された小学生? どーかしてるぜ…』

 『いいか?…俺達ですら何ヶ月も訓練して実戦だったカリキュラム以外にも何か有るかも知れんがコイツらは多分何年間も任務と訓練をしているだ個体戦闘力は侮れ無い!』 『……取り敢えず保留でいい!他にも話す』

 急ぎ他に当たる俺 委員長のホサキと幼なじみのシムラ マコ カワムラ リシリを教室入り口で捕まえる 血相変えた俺を見て引く3人 『あんたどーしたの?! いつになく顔が白いよ! 』 『ソーちゃんどーしたの? 体調悪い? 』 『……』

 『妹…が 危ない……俺一人じゃ守れない…ハッキリ言って焦ってる 協力してくれ…頼む! 』 

 『……私の父が警察官僚と知っての事か? ソソグ』

 『……自衛軍があたし達より下の年の子を殺人マシーンにしてるって? 加工映像じゃないの? 第一実戦に成っても小学生相手に負ける訳ないじゃん? この子がマジリちゃんのクラスメートでもまず学校内じゃ何もしないって多分だけどさ…』

 言葉や動画では説得力が足りないか…もう一人でやるしかないのか…3時限までは我慢したがマジリが気になるので 学校を無断で出ようと靴箱に向かうと

 マコとカワムラが居た待ち伏せだ 二人並んで俺の靴箱の在る場所で立っている… 

 『……どいてくれ  やっぱり妹が心配だ今日は妹を連れて帰る…』 『……その後どーすんのさ? 軍や警察に追われ犯罪者扱いされるかもしれないんだよ?! 』 『協力してくれ…は 忘れてくれていい…巻き込むと取り返しのつかない…悪かったな…俺一人でなんとかしてみる…反政府側の知人に協力して貰うつもりだから心配しないでくれ…』グッと靴箱の靴を掴み立場の悪さと緊張感で潰れそうな自分に堪える

 

 『……あたし達も行く! 』マコが言う 

 『!!……解ってるのか反逆者やテロリスト扱いされるかもしれないんだぞ!自分以外の家族や仲間にも迷惑かかるかもしれない! ましてや殺される可能性だって在る! ヤバいから止めろ!巻き込みたく無いんだよ!!』

 どうしようも無いが妹くらいは護りたいが個人の力なんてしれている…焦りと苛立ちのせいか言葉が飲み込めない… 『ここは……特別課外授業といこうじゃいか…』 何時も薄いブルーのジャージで癖っ毛のマエゾノ先生が俺達の口論に割って入る… 『…焦らなくて良いぞ私も反政府活動家の一人でね…強化訓練洗脳兵の事だろう?…事態はより深刻化している…エリート小学生部隊は実在し何らかの独立行動を起こすらしい軍の連中は甘く視ている 歯止めが効かないかもしれない事にな此方もある程度の小学生の絞り込みは済んで居るのだが首謀者の足取りが掴めないままなのだ迂闊に仕掛けてもナイフ一本で10人をあっさり殺せる人間には仕掛け難いキミが手に入れたデータは本物だよ…軍と民間の中にも我々の協力者は居るキミと妹を護れるはずだ… 』 

 『……ここの教師や派遣軍人の殆どが今や協力者だ…

 音波兵器ヒュプノは脅威だ誰も死にたくは無いからな…クロダ君…キミも同行してあげなさい』クロダ マコト 三年女子の先輩だぴっちり下げたおさげと黒いフレームの太い眼鏡を掛けた真面目眼鏡女子の手本のような娘だ… 『彼女は元エリート訓練生の一人だキミ達よりも多分強いよ…彼女には年の離れた妹が居てね 連れて逃げて来た所を我々が保護し身分証を改めたんだ…三世代前のエリート小学生ってとこかな…』 『……宜しく… 』綺麗な顔立ちの文系少女にしか見えないが 頼もしくも恐い感じがする…マコとカワムラと俺が後ろでマエゾノ先生が運転 助手席にクロダ先輩が乗る 

 車は国産メーカーのワゴンだ家族車や軽い配達業者も愛用するやつだ 妹の通う小学校の近くのコンビニの駐車場に止めた 直ぐにマエゾノ先生はコンビニに入り買い物をする…俺とマコ カワムラ クロダ先輩の3人が車内に残る… クロダ先輩が口を開く 『……緊急事態うえに協力するがいい気に成るなよ後輩共… 私は昼食前で大変お腹が空いている先生との楽しい昼食が台無しだこの件にも腹が立っている…』クロダ先輩とは初対面だがどうやらマエゾノにゾッコンのようだ 『……先生は私の恩人だ…行き場の無い私にまともな生活環境と幸福をくれた…先生は私の獲物だ忘れるな…』 買い物を終えたマエゾノ先生が運転席のドアに手をかける頃にはクロダ先輩の殺気が消えている…好きな相手の前で本性隠す行動を取る 運転席に腰を下ろし買って来た飲み物とおにぎりとサンドイッチを後部座席の俺達に渡す 正直腹も減っていたので有り難く頂く事にした マエゾノ先生がグローブボックスから小型インカムを取り出した 『周波数は358だ合わせてくれ』手慣れた手付きで皆作業する 時刻は11時58分 

 クロダ先輩が持ってたカバンから巾着とステンレスの水筒を出した ぐっとマエゾノ先生に差し出す 『先生よっ…良かったら……これ食べて下さい!』ラップにくるまった門の丸い大きめのおにぎりとおにぎりといっしに巻かれたたくあんをマエゾノが食べる慣れた関係なのかリアクションが薄い…車内に味噌汁の香りが立ち込めるステンレス水筒の中身はどうやら味噌汁のようだ片手間に味噌汁を少し飲むマエゾノ 好きな人に食べて貰える至福の時を味わうクロダ先輩先輩 完全に邪魔者な俺とマコとカワムラ…3人で各々食べる 小声でマコが言う『……あーゆーベタなアプローチ間近で初めてみた…』『……あの二人いっしょに暮らしてるのかもな…急に持ってきた弁当や味噌汁に対してリアクションが普通過ぎる毎度の事のようだなあの二人がいっしょに買い物してるらしいと噂で聞いてたが……』 カワムラとマコが話す女子二人の先生と先輩にたいする目線が女子全開で緊迫した事態を少し忘れるさせる… 

 

 

 

 

 

 

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