第3話
私がそう言うと、部屋が真っ暗になった。
そしてあちこちから赤や青の光る玉が現れ、私の周りを飛び交った。
「まあ、きれい」
光の玉は消え、部屋の明かりがついた。
おっさんはふてくされた顔で、床に座り込んでいる。
そのまま見ていると、おっさんの首から下が消えたかと思うと、首だけになったおっさんが物凄いスピードで私の顔前に来た。
「もう、初対面なのに、キスなんてだめよ」
おっさんの首が消えた。
その後もおっさんはいろいろとやらかしてくれたが、私はそれが楽しくてしかたがなかった。
そのうち私が「あれしてくれ、これしてちょうだい」と言うと、やってくれるようになった。
掃除、洗濯、炊事。
大嫌いなゴキブリが出た時は、一瞬で消してくれた。
家賃が相場の五分の一で、おまけに最高のお手伝いさん付き。
まるで夢のようだ。
ここを選んでよかったと思う、今日この頃の私なのでした。
終
夢の部屋 ツヨシ @kunkunkonkon
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