第2話

業者が運び込んだ荷物を片付けていると、いきなり閉めていた戸が開いた。


次は私以外誰もいないはずなのに、あちらこちらから、ドタン、バタンと音がした。


始まったのだ。


夜になると出てくると聞いていた。


完全無視を決め込んで、テレビでも見ようと思ってリモコンに手を伸ばそうとしたら、リモコンがすうっと移動して私のすぐ前に来た。


私は感動した。


なんて親切な幽霊なのかしら。


「ありがとう。助かるわ」


そう言うと、ドドドドドゥンと大きな音がした。


気付けば上から下まで不自然に白いスーツ姿のおっさんが、私の前に立っていた。


「ありがとうじゃねえだろう!」


なんだか怒っている。


「あのう、どちら様ですか?」


おっさんが目をむいた。


「怖くねえのか、このブス!」


ブスは言われ慣れているので、私はそんなことでは怯まない。


「なにが?」

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