全部嫌になったら、なぜか祖父が現れました。(仮)
雪野目 晴
第1話
終電ギリギリで家路につく。
途中コンビニに寄って夕飯に弁当を買った。
好きで独身なのではない。ただ縁がないだけで、恋人とは先月別れたばかりだ。別れたというか、一方的に別れを告げられた。
理由はわからない。突然メールで別れを告げられ、それっきりだ。
自分も特に未練も無かったので、連絡をしなかった。
彼女とは一年ほど付き合っただろうか。
人数合わせで行った合コンで出会った、2つ下の彼女。
医療事務をしている彼女は積極的で、あまり人付き合いの苦手な俺はずっと押されっぱなしだった。
付き合い始めたのも彼女のほうから告白され、断る理由もなかったので付き合うことになった。
考えている内に、家に着く。
安い家賃に惹かれ決めたアパートは、築30年の二階建て。一階右端が自分の部屋だ。鍵を開け中に入る。入ってすぐのリビング兼寝室の小さな丸テーブルに弁当を置き、そのままベットにうつ伏せに倒れこむ。
食欲が失せてしまった。そのまま眠ってしまいたかったが、明日のことを考え、スーツだけは壁際のフックに吊るす。
自然とため息がもれた。
自分は何をしているのか。
東北の田舎出身で、東京にあこがれて高卒で今の会社に入った。
同期はあまりの多忙さに、皆辞めてしまった。
自分も辞めることを考えた。しかし、仕事を辞めた後のことを考えると、踏みとどまっていた。
他にやりたいこともない。
次の仕事が見つかるとも限らない。
辞めていった同期が少しだけうらやましくもあった。
「こんなはずじゃなかった」
無意識に声が漏れていた。
全部嫌になったら、なぜか祖父が現れました。(仮) 雪野目 晴 @yukinomeharu
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