神様の手違いでいきなりの裏世界(本来は物語後半で来るべき地点)スタート。
そこで散々みせつけられるのが、自分はサブ勇者でまったく期待されていない存在だという事実。
テンションがダダ下がりの中、本来のスタート地点へとばされるが……。
パーティメンバーとしてあてがわれたのは。三流僧侶と三流魔法使いの姉妹リネ&エリス。自分らは「モブキャラだから」と、己の器量をわかりすぎるぐらいにわかってしまっているという切なさ。そんな、みずからの弱さを100%理解して生きる彼らに、あたたかい目をむけてしまうこと請け合いです。
はたして彼らは、真の勇者パーティになれるのか?
その名を異世界にとどろかせることができるのか? 栄光はあるのか?
ところどころでRPG常識の逆手をとった異世界ファンタジー作品。
まだ、はじまったばかりの物語です。ポンコツな彼らの、(きっと)ポンコツではない冒険を楽しんでいきましょう!
最弱勇者の登場。ムシケラ扱いのシーンから。
でも読者の目線でいえば、感情移入するには一番いいんですよね、こういうタイプ。最初は上から目線でいられて、知らない間に苦労も努力もともにしているような気持ちになれる。
だとしても、この物語では最弱の勇者の手に負えないような強敵ばかりがでてきます。知恵と勇気と友情で、倒すような古典ではないのだけど、チートというようなカタカナよりも泥臭いというか、作者の綿密な計算でなんとか魔物に打ち勝っているようですが、この先どうでしょうか。主人公よりも数倍強いもうひとりの勇者の運命のように、どこまで進めるのかもわからない展開に不安と緊迫と怖いものみたさのような入り交ざった感覚を味わっています。
この先どんな急展開があるのかわからないけれど、このまま緊迫感をもって完結まで読み続けたい。