Personal Log 002 やばい!うちのロイドはドジっ子だった!て、これが公式支給品でいいの??

 ミドルスクールからキュービクルに戻る。正直緊張したよ。ドアで認証を済ませて、中に入る。リビングクオーターにいくと、ディナーテーブルの前にどんとシルバー色の 大型ボックスが設置されていた。


 来たー。ボクのロイドだ。心臓はバクバクさ。


 そんなことを思っていると、大型ボックスがジップ音とともに開き、中から、ボクよりすこし背丈の低い女の子が現れた!

 

 「紫音くん、こんにちは!これから、よろしくね!」


 あたり前だけど、ほとんどクラスメートと雰囲気はかわらないな。街にいるときもどれがロイドでどれが人間か、なんて全く見分けがつかないけどね。人との食事すら「つきあえる」わけだし。もっとも、トイレに行くか行かないか唯一、見分ける方法だけど。でも、すこし、気恥ずかしいな…


 「うん。よ、よろしく」


 あ、握手したほうがいいのかな?と悩んでいたら、さっと、ボクに近づいて…

ハグっとしてくれた。不思議な感じ…小さいときにママに抱きしめてられた時の記憶が蘇ってくるような感覚になった。分からないけど、自然と頬に涙が流れてたよ。


 「これから、紫音くんのロイドとして精いっぱい頑張ります!」

 と、大きな瞳をクルっと丸めて満面の笑顔。それを見ると、なんか、胸がぽかぽかした。そして、すくなくともこのロイドをパートナーとして迎え入れるかどうかを決めるまでの間、一緒に居てくれるんだと思うと、すこし嬉しくなった。

 

 「キミをなんて呼んだらいい?」

 「沙良。」


ロイドは、自分で名前を決めることは出来ないんだ。これは、世界評議会から支給されるロイドはあくまでもパートナー候補、つては、配偶者(妻)として迎いれた存在だからさ。こういうところは、すごく保守的なんだ。ラディカル派は迷信じみているともいうけどね。


 「じゃあ、最初に何をアシストしたらいい?ごはん食べる?」

 「うん。ペコペコだよ!」


 「OKじゃあ!ちょっと待ってて!」

 言うまでもないけど、人間とロイドとの関係は対等。ロイド的には「アシモフの三原則」を堅持することを、数十世紀前に生まれたとされるファーストジェネレーションからプログラムされていて、そのコードをブレイクすることが出来ない。だから、ある意味、ロイドは、生まれながらにして「完全な自由意志」を持ちえない存在とも言えるんだ。だから、ボクら、人間はロイドたちを平等に扱うように気をつけなくちゃいけなんだ!あ、ちょっと道徳の教科書みたいなしゃべり方になったちゃた(汗!)。とにかく、もう気がついたら、タメ口になってた!すごいな。これまでのボクの生活様式やこれまでのスクールでの内申データが、全てセンターに送られているだろうから当たり前だけど。


 「出来ました!」


 と、暖かい湯気とともなって、お皿に盛られてきたのは、サラダとライス。そしてその上にズッシリと乗せられたメンチかつ!ブラックソースもたっぷりかけられている。ボクの大好物だ!


 「さすが!沙良ちゃん、ボクの好み知ってるんだね!いただきます!」


 さっそくメンチかつからかぶりつく。と、違和感。口の中に、苦みと甘みが拡がっていた…


 「沙良ちゃん、この味…」

 「うん。紫音くんの大好きなモノを組み合わせたんだ!チョコレートソースをかけたんだよ!過去にもこういったメニューが売られたこともあったの!最高でしょ!」


 ....あとで検索してみたら、確かに中世期、東京の西早稲田というところであったらしいけど…この組み合わせは、どう考えてもキワモノ系....

やっぱり、沙良ちゃん…ドジっ子??? どうする?どうしよう!?



 


 

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国民総ハーレム計画でメイドロイドを手に入れたら、eスポーツ トーナメントで優勝したった! 高山紫音 @susanohiroki

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