第3話 発掘調査のはなしーイスラエル編
私が初めて発掘調査に参加させてもらったのは北海道だったが、20歳の夏、ついに念願叶って中東の発掘調査に参加させていただけることになりました。
国は、イスラエル。
テレビやネットでは不安定な政情ばかりが取り沙汰され、両親には本気で渡航を止められました。
私自身、同じ中東でも、トルコやエジプトなどの比較的安全そうなイメージのあるところがいいなぁ、と漠然とその当時は思っていましたが、何はともあれ、せっかくのチャンス。行ってみることにしました。結果的にどハマりするわけですが…(笑)
イスラエルの調査で、まず何に驚いたかというと、起床時間の早さ!
中東の国々では、日中の最も暑い時間帯で気温が40℃を超える。
「発掘調査」というと、ハケなどでそーっと出土品を取り出すというイメージをお持ちの方もいるが、あくまでそれは最終段階の作業。調査の大半は大型のスコップ(中東ではつるはしを使うことも!)などを使った、いわば土木作業。
炎天下の中、そんな作業をすすめていれば、たちまち熱中症になってしまう。
とはいえ、発掘調査は時間のかかる作業。十分な作業時間を安全に確保するために、早朝から発掘調査を開始するのだ。
私が参加させて頂いた調査では、以下のようなタイムスケジュールで調査が行われていました。
朝5:30 起床。遺跡へ向け宿舎を出発。
5:45 発掘調査開始。日の出前は夏でも寒い!
8:00 小休憩。暖かい甘い紅茶を遺跡で入れて飲む
10:00 軽い朝食。ピタパンに野菜やハムなどを挟み、残りの作業の鋭気を養う。
12:00 作業終了。宿舎へもどり、昼食。図面作成や記録写真を撮る場合には延長して作業する場合も。
14:00まで各自シャワーを浴びたり洗濯(手洗い!)をしたり、休憩。
17:00までミーティングとその日に出土した土器などの水洗作業。ポタリーリーディングと言って、どの時代の出土品がどの位でているのか、スタッフを中心に記録と分類をしていく。
その後、宿舎の食堂で夕食をとり、ミーティングを行い、翌日の作業に備える。
とにかく、朝が早い。
ただ、日本とは時差があるので、渡航してすぐの頃はちょうど昼夜逆転したような形だから何とかなるのですが、始まって2週間もたつと、身体に蓄積された疲労もあり、とてもしんどい。
そんなしんどさも、遺跡の上から見る朝焼けの美しさで何処かに飛んで行ってしまうんですけどね。
遺跡の発掘調査をやってみたら人生変わった @kokohore_oneone
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