タイトルにある「ゲスコン」というのは、「ゲストコントロールキャスト」の略だ。
ショーやパレードの時間帯になるとぞろぞろ現れてきては(言い方)、ゲストに鑑賞場所の案内や誘導をしてくれる人達を指す。
パークの中で最も人数が多く、かつ最もゲストと関わり合う、いわば「花形」といえる仕事だと思う。
そんな「ゲスコン」のコンビが、本物の「夢と魔法の世界」で、物語をハッピーエンドにするべく奮闘する、童話✕お仕事モノのストーリー。
かれこれ20年ほど通っているが、キャストから見た「夢と魔法」というのはなかなかお目にかかれない分、新鮮さを感じるし、「通い慣れた場所」のおかげで刺激もある。
ギリギリと言いつつ、夢は壊さないので楽しめるから安心して読んでほしい。
そして、『彼』の創り出した世界を楽しんでほしい。
テーマパークで仕事している二人が、童話の世界に迷い込んで壊れかけていたりずれかけていたりする物語の世界を軌道修正するために奮闘するお話。
チートもバトルもラブもない、とのことですが、お仕事で培った技術とアイディアを駆使し、身体を張って走り回る二人の微妙な距離感はそれに匹敵するわくわく感であります。
夢と魔法の世界、夢と魔法を演出する人たち。でも現実にいてもファンタジー世界にいても、登場人物たちが抱える悩みはどこか等身大で親しみが持てる感じで、そのあたりのバランス感覚がとても好きだなあと思いました。
文章もさくさく読みやすくて、ついつい一気読みしてしまいました。
楽しく時々泣ける素敵なお話をありがとうございました!
某アニメ映画の面白おかしいパロディ作品なのかなと思って読み始め、「こっこれは!? 本格化の異世界ファンタジーではないか!?」となって、物語の軽快さと深さにぐいぐい引っ張り込まれる。
しかも守秘義務ギリギリはギリギリでやばーい!
でもテーマパークの熱い裏舞台が見え、その夢と魔法も、大勢のスタッフさんの努力で作られたものなんだという感激と、そんな知られざる現実を滑走路にしてさらに飛ぶ、この作品ならではの夢と魔法のファンタジーがあって、なんだか痛快です。夢と現実の交錯が気持ちいい。
明るい語り口に隠された、真剣なテーマ。
それでいて重すぎず、励まされる作品で、読むと元気がもらえます。
連載中ですが一話完結なので、まずは第一話を読んでみてほしいです。
きっと胸が熱くなりますよ。
見せ場ごとに現れる、舞台劇のような名シーンも見どころです。
今まで誰もやれなかった!? 意欲作というか、挑戦作です!
やりたかった仕事、やりがいもある、だけどこの先の人生を考えると……とふと立ち止まってしまうお年頃の主人公。優秀な先輩(ちょっと?変わってる)への尊敬や劣等感。きっと誰もが抱いたことのある気持ちだと思います。
ありすの仕事は夢と魔法の王国の「ゲストコントロール」。ゲスト(お客様)に楽しんでもらえるよう、誘導灯を手に、舞台を演出、盛り上げる影の存在。でも立派な立役者のひとり。
そんなありすと共に童話の世界に一緒に突入して、彼女たちの決断や行動を見守ってほしいです。
テンポよく読みやすい文章でつづられる彼女たちの気持ち、えーそうきたかー!?っていうキャラクターたち。一緒につっこみながら、次は何が飛び出すか!?とワクワクします。
全然悲しくなんかない、楽しい物語なのに、各話クライマックスでは、まさに舞台の明かりが落ちて物語がはじまる、あの静けさや興奮を思い出して、なんだか涙が浮かんでしまいました。
場が一体となって動いていく様子、歪みかけた童話の物語をラストへ導く姿は、つっこみながら気分がアガります!
ギリギリを攻めたキャッチコピーに思わずハハッと惹かれました←
ただ、離れ業的なキャッチに微妙なイメージを抱かれた方、心配ご無用です。本作品、非常にしっかり練られたお話です。
童話の中に入り込んでイベントの『裏方』をする、という目新しい設定がまず魅力的。語り口は柔らかく易しい一人称で、リーダビリティ抜群。めっちゃすいすい読めます。
元キャストの作者さんならではなリアルな描写と、童話のファンタジーな世界観、その落差の使い方がお上手。
童話のキャラクターのデフォルメの仕方も面白いっすね。白雪姫の女王さんの仕上がりが個人的にはツボです。
正直この手のジャンルにはあまり手を出してこなかったのですが、読み慣れない当方でもめっちゃ楽しんで読めました。
続きが気になる! おすすめっす!