おまけ

言葉について

雰囲気程度に流してください。



●花里――遊郭(ここでは吉原)の別名ってことで覚えてたが、どうやら勘違いだったらしい。この話では花柳街とか遊里とかのニュアンスでお願いします。


入相いりあいの鐘――日没の頃に、寺が僧の勤行の合図のために鳴らす鐘。吉原では店に灯りがともり三味線が響く、色町本来の賑わいが始まる。


化生けしょう――化け物。人外。


年増としま遣手やりて――年増は今と違い20代前半あたりの女性。30歳過ぎると大年増で遣手婆とも呼ばれた。お客に応対して値段や時間、食べ物、人数の手配などを決める重要な仕事。事情に通じている必要があり、元遊女が多かった。


約定やくじょう――約束。


龕灯がんどう――ロウソクを入れ、正面だけを照らす手持ち式の灯り。現在の懐中電灯のようなもの。傾けてもロウソクが倒れないような仕組みになっている。

https://www.youtube.com/watch?v=N5qVP04TMK4


打掛うちかけ――和装の一番外側にはおる一枚。色打掛の刺繍の豪華さは花魁のステイタスでもあった。


占いうら屋――基本的に外出することのできない遊女は占いが大好きだったとか。


●生き人形――活き人形とも。実際に生きている人間のように見えるほどの精巧な細工をほどこした人形。見世物に使われた。木製、あるいは張り子細工。欠皿の腕は「重い」と言っているので木の削り出しであろう。

http://blog.livedoor.jp/nwknews/archives/5561775.html


襦袢じゅばん――和服用の下着の一つ。


煙草盆たばこぼん――煙草を吸うための道具(火入れ、灰吹き、刻み煙草入れ、煙管きせる)をセットにしたもの。持ち運びしやすいよう持ち手がつけられたものが提げ(手提げ)煙草盆。高価なものは意匠や細工に凝る。

http://verdure.tyanoyu.net/tabakobon.html


●拍子木を四つ――本来は店も四つ(午後九時半~十時半くらい)で閉めなければならない(吉原大門は閉まる。ので潜り戸を使って出入りする)が、実際には「引け四つ」と言い張って九つ(午前零時)まで店の営業時間を延長していた。明治に入るとさらに二時間ほど延長して「大引け」と呼んでいたようだ。指名のなかった遊女たちは引き上げ、店の灯りが消える。お客がついた遊女は床入りの時間である(ただし、一夜に何人も客を取るような遊女は別)。

http://yosiwarasaiken.net/arinsu/day.html


御一新ごいっしん――明治維新。



*** 資料 ***


松本深志高校落研OB会/色里・吉原

https://fukashirakugo.jimdofree.com/%E8%90%BD%E8%AA%9E%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6/%E8%90%BD%E8%AA%9E%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3%E8%83%8C%E6%99%AF/%E8%89%B2%E9%87%8C-%E5%90%89%E5%8E%9F/


花街ぞめき Kagaizomeki

https://gionchoubu.exblog.jp/


ブログの森・江戸女子力

http://www.mikipress.com/blog-mori/cat02/


キセルの吸い方:徒ら草

http://chiken.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/post-23f8.html


 

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宵闇花里 連野純也 @renno

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