短編でありながら恐ろしい存在感の作品でした。子供、母体、そういった人がめでたいと錯覚し、守護欲求をもたらすもの達を対象に、かつ、無慈悲に書き上げられた故の恐ろしさに脱帽です。クギリが読みにくいとか、文章の繋げ方に違和感を持つ時がありましたが、それも、作風の怖さをより引き立てるフックになっているようにも感じました。
新しい命の誕生。とても神秘的で、喜ばしい瞬間ですよね。お父さん、お母さんになる瞬間です。けれど、お母さんの目には我が子が……本来は幸せなシチュエーションだからこそ、恐怖が倍増しました。