すごくきれいに纏まっていて、無駄のない良作
- ★★★ Excellent!!!
遠くにいるとある女子「伊澄」と、拾った石を通じて会話が出来るようになるという不思議な設定。
主人公の宗平と伊澄の両方の視点でそれぞれの高校生活を綴りながら、光る石での会話の一点でのみ互いが繋がる中、二人は別々の生活の中で別の誰かに恋をし、友達との関係に悩みながら、励まし合う。
そして、二人の関係にはどうやら宗平にも知りえない秘密があり……。
物語につきまとう宗平と伊澄の謎の繋がりで引き込まれながらも、淡々と描かれた互いの高校生活における葛藤と乗り越えた先の成長が綺麗に描かれていて、とても心地よかったです。
そして読後には全ての謎が明かされ、物語の事柄の全てが一つの輪のように繋がっているという、なんとも考え抜かれたストーリーでした。
ジャンルがミステリーとはなっていますが、現代文学、恋愛のジャンルとしても高い質で仕上がっているので、そちらを期待して読んでも問題ないと思います。