終幕 俺と僕
電話ボックスから出る。夕日が真っ赤だ。憎らしいほど赤い。ぎらぎらとしている。
その光に目を細めつつ、要らなくなった紙くずを、ゴミ箱に放り投げた。とにかく今日は何時もより早めに寝よう。明日からはハローワーク通いだ。ったく、何やっても駄目だな。俺は。
結局、父と母は帰ってこなかった。でも、今の僕の顔を見せても、恥ずかしくなるだけだろう。今度は堂々と里帰り出来るようになろう。夕日はオレンジ色だ。何処かであの人も見ているのだろうか。とにかく精一杯生きてみよう。そう思った。
俺と僕 えんがわ @26095
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