ほんの小さなきっかけから、互いのことを知るために約束を交わす二人。
とてもゆっくりとした歩調で綴られる二人の関係は、ともすれば「どこかで誰かがこんな話してるかも」と思えてくる自然かつ軽妙な文体のおかげで、テンポを損なうことなく読み進められる。
同じエピソードについて二人の視点でそれぞれ描き、慶太くんの「男子的なこじらせ具合」と真春ちゃんの「勇往邁進積極乙女!」を一緒に楽しめる構図となっており、一粒で二度美味しいのも魅力。
じれったいという気持ちすら楽しめる、絶妙なバランスでちゃんと二人の関係が進展していく様は敬服しきりであります。
少しずつ、二人のペースで育む恋の行方を、どうかご覧いただきたい。
最寄り駅が同じというだけの2人が「今日の一問」ルールによって少しずつ互いのことを知っていくお話です。
登場人物はほとんど先輩と後輩の2人のみ、関係の進展もゆっくりしたもの。
ともすれば飽きてしまいそうですが、そうはさせないのが後輩ちゃんと先輩の軽妙な会話です。
後輩ちゃんのからかいが成功したり、先輩からの反撃が刺さったり、自滅したりとバリエーション豊かで、なおかつ2人とも相手の嫌がることはやらないので安心して読めます。
ちなみに、こんなお話を書くのはどんな人だろうとTwitterアカウントを探してみたところ、何とVTuberの模様。
VTuber初(多分)の作家誕生が期待されます。