棺桶図書館の司書の仕事。それは未練を残して亡くなった者を『遺品』として保管していくこと。鬼教官である光ばーちゃんにしごかれながらも、主人公の花火は日々精進を続けていきます。立派な司書になるべく訓練する花火と、厳しいながらもそれを優しく見守る光ばーちゃんの二人のやりとりは、読んでいて心が温かくなりました。
死というテーマを取り扱いながら、軽妙でクスリと笑わせてくれる、優しさに満ちたお話です。 といっても死の尊厳を侵すことはなく、死者への敬意はしっかり伝わってきます。 その中で展開されていく物語は師弟愛に満ちたものであり、人と人……いえ、あらゆる生き物の心を繋いでいくものです。 キャラがすごくいい味を出しているのも、素晴らしい! もっともっと読まれるべき作品だと思います。まだの方はぜひどうぞ!
棺桶図書館、それは未練を遺した死者たちの『遺品』を保管して遺族を待つ場所。蔵書はそのまま、死者達の記憶であり願い、望み。それが残された者達へ伝わる時、司書達の戦いと冒険、そして祈りが何かを型取り繋いで紡ぐ。ファンタジックな世界観の中で、良し悪しや善悪を超えた「死者への敬意」が語られていく物語です。それは、民族や国家、宗教や思想を超えた人間ならではのありかたを自分達読者に思い出させてくれる気がしますね。オススメです!