エピローグ ー おもちかえりエルフ
その日のうちに俺は
『結局、連れて帰ってきたというわけか』
「そーじゃなくてこいつ、勝手についてきたんだよ!」
神龍に弁解しながらも、待ち受け画面の変わったスマホをその場でミオにさらされてしまい、それ以上何も言えなかった。鑑定能力はパスワードを無力化するようです。勘弁してくれ。
「ありがとうございました」
神龍に頭を下げるミオ。
『女神のくせに謙虚だな』
「え? こいつ、女神だったの?」
「いや、本当の女神じゃなくて、なんというか、こちらでいうアイドル的な存在っていうか」
「アイドルじゃなくて、マスコットキャラだろ?」
「なんだと〜!」
ミオが顔をふくらませる。しっかり空気読めてやがんな。
『まともに女性と付き合えなかった貴様にはもったいない娘だと思うが?』
「そういうことにしといてやるよ。ま、そんなわけで、明日からまた世話になるんで、よろしくな!」
☆☆☆
自宅に戻り、ミオが風呂に入っている間、素人童貞の俺はドキドキしていた。その気持ちをおさえるべく、PCを立ち上げる。エリちゃんの正体も気になっていたし。
だが彼女は何の手がかりも残していなかった。スマホはメッセージ履歴も電話帳も消えてて(ミオが消した説が濃厚。勘弁してくれ)連絡の取りようがないんだよね。ミオの前では怖くてお店に電話できないし……
よくよく考えたら謎が多すぎるよな。ただのデリヘル嬢だと思ったら、ネットワーク知識に精通したクラッカーで、異世界と通信して俺たちにメッセージを直接送り、悪魔の動きを封じるとか、いったい何者だ?
その時、スマホに突然メッセージが!
>服部くん、戻ってきたんでしょ? 私しばらく忙しいから会いに行けないけど、浮気しないでいい子にして待っててね~♡
……やっぱ俺、ミオの世界に行ったほうがいいのか?
と思った瞬間
>ミオちゃんとあっちの世界に逃げても追っかけて行くからね~♡
こえーよ!! この女こえー!!
>踏み台サーバーの件、神龍にバレたら殺されるわよ~。だから私が戻るまで、ミオちゃんには絶対に手を出さないでね~♡
……エリちゃん、やはり悪魔だったんでしょうか?
おそるおそる返信
いつ頃戻ってくるの?<
>三年後くらいかな(笑)
>生殺し状態で待っててね。
……勘弁してくれ _ト ̄|○ <
おもちかえりエルフ~デジタル忍者 24時~ 叶良辰 @Quatro
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