小学校の委員会活動から高校まで8年続けていた、元放送部員です。カクヨムで放送部の小説がないかと探し、ここに行き着きました。とても洗練されている。余計な言い回しや言葉が一つもない。シンプルな言葉で進んでいく場面展開がとても鮮やかでした。まるで彼らの声が、生きて私のもとへ届いているようなそんな錯覚に陥る、素晴らしい作品です。
高校の放送部を舞台にした、部活にかける青春、を地でいく作品です。少々不穏な科白の出だしからぐいと引っ張られ、短いからではなく一気に読めます。無駄がなく、テンポがいい。それでいて、放送部員たちの大会と放送にかける熱い想いが作品の隅々にまで行き渡っていて、伝わってくる。そしてラストのいちゃいちゃ(笑)。こんな部活をしたかった……。 裏方で地味と思われがちな放送部が、実はこんなにも熱いものとは。そう感嘆させられました。