十六夜と時雨

草野

第0話 二人

二人は静かにそこにいた。

この世とあの世の間。

誰に名付けられることもなかったその空間に、二人はただ存在していた。

十六夜と時雨。

二人は自分たちがいつからそこにいるのかも知らなかったし、いつまでそこにいればいいのかも知らなかった。

お互いにしか呼ばれることのないその名だけを持ち、二人はいつもそこにいた。

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十六夜と時雨 草野 @hotarun1130

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