現在までに発表された昔話を、一本にまとめられたのが今作となります。
文章力、構成力に定評のある作家が昔話を描いたらどんな世界へいざなってくれるのか。ぜひとも多くのかたに読んでいただきたいと思います。
なんと悲しくも、美しい物語たちなのでしょう。
四季に彩られる日本。西洋で伝承される昔話と一線を画しているのが、この四季を背景にしている点ではないかと思われます。
「しろぎつね」、「銀の蛇」そして「竜胆ーりんどうー」。それぞれに共通しているのは、男女の愛と絆。
けっしてハッピーエンドではありません。いや、角度を変えて見れば幸せな終幕、大団円なのかもしれません。
愛する人を想う心を、昔話という形で表現されたこの一本。
繰り返しになりますが、本当に多くのかたにご覧いただき感動の余韻にひたっていただければと願います。