第3話

けれど、黒鼠君の父はバルコニーの窓から、息子と真の様子を見ていた。



アノ馬鹿ガ…



ピーポーピーポーピーポー



マンションの住人達は救急車を呼んだのだろう、救急車の音がマンションに反響する。


黒鼠君の父は真が部屋に戻るのをじっと待っていた…


真が部屋に戻ると、少しだけ開いていたリビング横の窓から侵入し


部屋のベッドで眠る、真の両親の手先や足にカブリッと咬みついた



ギャーッ!痛いッ!


なっ、うわっ、ギャッ!



黒鼠君の父は鋭い爪で



ザックリッ



真の両親の頭を切り裂いた


それから音をたてずに、静かに静かに、真の部屋へ向かい



カチャッ



ドアを開けた


真はベッドから躰を起こし



「うわぁ~遊びに来てくれたんだね、黒鼠君!」



ニコニコと笑った



カリカリカリカリッ


カツカツカツカツッ


黒鼠君の父は歯と爪を鳴らした



「笑ウナ… 小僧…」



シィャァーッ!


黒鼠君の父は鋭い爪で、真をザックリと切りつけた。



ギャーッ!




カリカリカリカリッ…


ゴリッカリッゴリッ …


君、今、笑ッタヨネ?


黒鼠君ノオ父サンカラ貰ッタ魔法 … 君ニモアゲルヨ …


本当ダッテ、ドウシテ信ジテクレナインダ?


今ハ僕ガ魔法使イニナレタノニ


オ医者ニ行ッタラ、僕ノ躰ハ治ッテイタヨ…


ダカラ、僕ハ笑ワナイ …



カリカリカリカリッ…


バリッガリッゴリッ…


喰ッテモ、喰ッテモ、


腹ガスク …


カリカリカリカリッ…

カリカリカリカリッ…


君、今、笑ッタ?
















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黒鼠 MiYA @2266

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