第61話 四元豚でありんす

 そうです。

 何か、記憶の深淵にセクシー・ド・ヨンゲーン以外の人格が見えて参りました。

 そう、四元豚……。

 四元豚でありんす。

 皆様、決して、しゃぶしゃぶ、豚テキなど勝手に妄想しないよう、以後ぷりぷりぷりの生きた四元豚、お見知り置きを。


「私の知っている四元豚ちゃんなの。どうにか、会わせてくれない?」


 ああ、かくも姫はカチャンカチャンと鳥かごを揺さぶってまで会いたいのか。

 しかし、セクシー・ド・ヨンゲーンに会いたいのか、四元豚ちゃんに会いたいのか、そこは、生きる分かれ目。


「四元豚ちゃーん」


 ぴぎー!


「やっぱり、四元豚ちゃんだわ。ねえ、伯爵、お願いだから鳥かごから出して」


 カチャンカチャン……。


 ああ、姫……。

 四元豚ですか……。

 いや、今はそんな話ではない。


「何のことだか。ただの豚だぞ」

「なら、いいわね?」


「いや、祝勝会用だから」

「祝勝会? だって、まだ試合は始まっていないわ」


「セクシー・ド・ヨンゲーンの豚ならではのとん走により、これは棄権だろうよ」

「そ、そんな……。私はこのファンタジアーヌ魔法カップで、伯爵から自由になるのよ」


「負ける前からいなくなるヤツが悪い。……正式に妻にしよう。ネコーコ・ハルミ姫」


「まだ、そんなことを……」


 ぴぎー!

 ゆ、許せん……!


 >分岐<


 A ネコーコ・ハルミ姫にキスをせまる。

   第63話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884458903


 B 宮殿へと向かう。

   第64話へ。https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884459087



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