第57話 食指

 のこのことついて行くことにした。

 とうとう、ネコーコ・ハルミ姫に再会できるのか。

 そう思うと、もう、妄想の域を超越して、豚頭は煩悩で一杯になってしまった。


「うまそうな、豚の頭だな」

「食うな! 食指を伸ばすな! たまったものじゃない」

 ん?

 懐かしい感じを思い出した。

 しゃぶしゃぶって何でしたっけ?

 豚テキって、多分都合の悪い料理だ。

 ふがふがふが……。


『おい、サスケヒゲゾー伯爵!』

「なんだ、這いつくばって。しかも、ふがふが……? そこにいた生意気なセクシー・ド・ヨンゲーンはどうした。おじけづいたか」


『悪いが、そのセクシー・ド・ヨンゲーンだぞ』

「おいおい、どこの豚ちゃんだい。家畜は逃げると丸焼きの刑が待っているのだよ」


 ぶひー!

 ぴぎー!


「うざったい豚だな。ネコーコ・ハルミ姫は、豚を食さないから、まかないにでも出すか。それも勿体ないな。祝勝会の目玉で、丸焼きにするか。うん、それがいい」

『命掛けかよ!』


「召喚! nnijnneegihoa! ネコーコ・ハルーミ姫!」

 ヤツは自慢の金の杖を脇から出して、円を描いた。

 サスケヒゲゾー伯爵は、空中魔法陣の中に金の綺麗な鳥かごごと、ネコーコ・ハルミ姫を呼んだ。


 ぶぎー!

 ぶぎぶぎ……。


「何だ、この豚、涙流して泣いてやがる。待ってな丸焼き」

 伯爵が得体の知れない豚を蔑視した時だった。

 鈴の音をころがすような美しい声がした。


「四元豚ちゃん!」


 >分岐<


 A ぴぎーっと飛びつく。

   第61話へ。https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884457975


 B 何とかセクシー・ド・ヨンゲーンの姿に戻ろうとする。

   第62話へ。https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884457978

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