第56話 睨み合い

「もう、会える体でないが、それでもいいならな……」

 サスケヒゲゾー伯爵は、自慢の髭をツンとしようとした途端だった。

 セクシー・ド・ヨンゲーンは、体を震わせ、胸ぐらをぐっとつかんだ。


「今の台詞を取り消して、会わせろ……!」

 ねめつけてやった。


「台詞? ネコーコ・ハルミ姫は、もう虜になってしまって、ダメなんですよ」

 つかんだ手を振りほどこうにも豚力は強いんだぜ。


「まず、この手をどけろ。豚め」

 苦しそうにしやがって。

 姫の苦しみを考えたら、それで済むか。


「いや、姫に会うまで離さない」

 更に力を入れた。


 ぐぐぐぐ……。


 睨み合った。

 

 ズズズズズズズズズズ……。


 凄み合った。


「や、やれやれ、分かったよ」

 細い声を絞り出してまで、まだ、負けん気は強いな。

 サスケヒゲゾー伯爵。

 しかし、セクシー・ド・ヨンゲーンも鬼ではない。


「そもそも罪を犯したのは誰だか分かっているよな」

 胸元をゆるめてやった。


 >分岐<


 A 伯爵専用クリスタ―ル宮殿の入場券を貰った。

   第59話へ。https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884455525

 

 B ヤツが産気づいた。

   第60話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884455530

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