第24話 豚でも矜持はある

「勿体ねえことしやがる。漢じゃねえな」

 結局、差し上げたが、飲み残されたコーヒーに手をやいていた。


 ちゃりんちゃりん……。


「チップだ。ニップレスではない。とっておけ」

「吾輩、セクシー・ド・ヨンゲーンは、コーヒーを飲んで欲しかっただけだ。金には困っている。それは否めない。し、しかし、恵んでくれとは頼んでいない」

 木のまるいテーブルに手をついて、震えていた。


「はした金だ。受け取っておけ。路銀もないのだろう?」

 上から伯爵。

 全く癪に障る。


「その目だ! その目が気に入らない。しもじもを見下げる眼」


 ♪ れっつらー・だんしーんぐ!

 ♪ チャチャチャチャ


 踊るセクシー・ド・ヨンゲーンのワンマンステージへようこそ。


 ♪ もう蜘蛛の巣にかかってしまったよ

 ♪ 逃れたければ姫を連れて来るがいい

 ♪ エルフのネコーコ・ハルーミ姫を

 ♪ 愛しい姫を

 ♪ ちっぱいが本物の証


 鬼気迫るワンマンステージのメッセージには、サスケヒゲゾー伯爵がとらえているネコーコ・ハルーミ姫の居場所を明かせとしか聞こえない。


 そんなことをすれば、サスケヒゲゾー伯爵は決勝戦を有利に運べない。

「口が裂けてもネコーコ・ハルーミ姫の鳥かごは教えられない。黙れこわっぱ。試合まで待っていろ」


 >分岐<


 A サスケヒゲゾー伯爵は、Vサインをして木戸をくぐって行った。

   第30話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884242839


 B 覚えていろ! と切ない捨て台詞で、サスケヒゲゾー伯爵は去って行った。

   第31話へ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054883918985/episodes/1177354054884244257

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