第31話 くらくらする

「凄い、これは凄いぞ!」

 そのまま歩いて行くと、立て札に矢印が見えたので、追って来た所、サスケヒゲゾー伯爵は、いいモノを見つけてしまった。


「は、あん! パッケージ見つめるだけで、くらくらしちゃうん」


 さくっ。

 

 誰も見ていないのを確認して、懐に入れた。

 また、暫く歩いていると、あまーい香りがした。

 香りにつられて、てくてくてくてく……。


「よっしゃ……」

 再び、ゲットだ!

 こそっと懐に入れた。


「ん? 熊出没危険?」

 サスケヒゲゾー伯爵の髭がピクリとした。


 セクシー・ド・ヨンゲーンの控室からとうに離れ、決勝戦の始まる時刻になっていた。


 目の前の欲望におぼれるからですよ。


「これは、くらくらするわ」

 




 ざんねん

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る